MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Swans "Cop / Young God / Greed / Holy Money"

Cop / Greed / Holy Money

Cop / Greed / Holy Money

  • アーティスト:Swans
  • Thirsty Ear
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 アメリカ/ニューヨーク出身のポストパンク/ノイズロックバンドの編集盤(1999年)。

 

 1984年~1986年にリリースされた2nd~4thアルバムと2nd EPを2CDにまとめたお得な編集盤。Disc-1には、今現在に至るまで伝説的に語られ続けている初期Swansの中でもとりわけ評価の高い2ndアルバム「Cop」と、後に彼らが自ら興したレーベル名の由来でもある2nd EP「Young God」がカップリング。そしてその音の強烈さたるや!1st「Filth」を踏襲しつつも更に鈍重になり、地の底にへばりつくように重く、遅く、破壊的で無感情…絶望的なまでの歌とサウンド。初めて聴いたときの衝撃は未だに忘れられないし、後のインダストリアル、ポストロック、スラッジメタルなど幅広いヘヴィミュージックへ影響を与えたというのも頷けます。Justin Broadrickもそれを公言する一人で、楽曲によってはまさにGodfleshの原型みたいな息吹を感じたりも。Disc-2は "マネーコンセプト" なるテーマに沿って音楽性が僅かに変化していった3rd「Greed」~4th「Holy Money」を中心に曲順を再構築するなどし収録、いわば彼らの最初の過渡期とも言える時期をパッケージ。インダストリアル度を増した硬質/鋭利なリズムトラックや濁ったような鍵盤の旋律、新たに加入した重要人物の女性ボーカリスト/キーボーディスト・Jarboeの存在によって、より呪術的/宗教的な色合いを濃くしていったサウンドはこれまた凄まじくヘヴィで濃厚。この後彼らは更に音楽性が大きく変化していくので、そこまでの時期の入門/ベスト盤として非常に有用なアイテム。とはいえ超重量のDisc-1&超漆黒のDisc-2の全29曲というボリュームは、余程好きでないといっぺんに聴くのは危険ではあるかも。

 

 

 今回の記事に合わせ、過去に書いていたSwansの1stアルバム&未発表曲集がまとめられた編集盤の紹介記事のほうも文章を少し見直しているので、よろしければ合わせてご覧ください。