MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

GZR 『Ohmwork』

Ohmwork

Ohmwork

  • アーティスト:Gzr
  • Sanctuary
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 UK出身、Black Sabbathのベーシスト・Geezer Butlerを中心としたヘヴィメタル/インダストリアルメタルバンドの3rdアルバム(2005年)。

 

 前作リリース後にGeezer ButlerがBlack Sabbathに復帰したこともあってかしばらく間が空き、このプロジェクトとしては約8年振りとなった3作目。今作での名義は「GZR」となっており、ここまでの3作品とも異なる表記が用いられることに。通して「GZR」か「Geezer」でまとめられることもあるようですが。今作ではドラマーがChad Smithという(RHCPの人ではない)人物にスイッチ。それ以外は前作と同様の編成ながらも、方向性はまた様変わり。タイトになったサウンド、体を預けてノリやすいリフ、時折みられるラップボーカルなどなど。過去にないニューメタルやポストグランジに近しいメロディックさ、分かりやすさが逆に印象的。ラップを大きく打ち出した「Prisoner 103」、アコギを軸にしたミドル曲「I Believe」、Lisa Rieffelなる女優兼歌手とツインボーカルで走り抜ける「Pseudocide」あたりからは、自分の知る範囲だと同時期のDopeにも通じるポップさを感じます。個人的には1作目の弩級のへヴィさや2作目のインダストリアルメタル感と比べると若干の弱さは否めないけど、コンパクトな収まりや明快な曲調とスピード感からくる聴きやすさは捨てがたいものが。Geezer Butlerの年齢を考えると単純にエネルギッシュだとか若々しいというのはベタな感想だけど、何かしら狙いがあったのかとも思うし、そこを彼やBlack Sabbathのコアなリスナーがどう感じるかというのはちょっと興味があります。ちなみに本プロジェクトは2006年で終了した模様。

 

 

 今回の記事に合わせ、過去に書いたg//z/r名義での1作目とGeezer名義での2作目の紹介記事の文章を少々見直しているので、よろしければ合わせてご覧ください。

 今回書きながら初めて気がついたんだけど、2021年に3作品から抜粋したベスト盤と、デモ・ライブ・別ミックス音源などを収録したボーナスCDが付属するBOXセットがリリースされているようです。ちょっと聴いてみたい…