Velcraの元ボーカリスト・Jessi Freyによる2ndアルバム（2022年）。
2000年～2008年まで活動し、ニューメタル/インダストリアルメタルバンドとして一定の人気を博したフィンランドのバンド・VelcraのボーカリストだったJessi Freyが、2019年にソロデビューしていたのを最近知りました。流麗なメロディからドスの効いたシャウトまで自在に歌いこなす彼女のボーカルが好きだったので興味を持ち、現在までリリースされている2枚のアルバムのうち1作目を聴いてみたところ、ちょっとダークな色合いのエレクトロポップ/ダンスポップという感じだったので、個人的にちょいと決め手に欠けるかなと見送ったんだけど、この2作目はどうだ。前作の路線を完全に消失させることなく、その上でサイバーパンクやエレクトロニックロックの要素を絡めた2020年代なりのインダストリアルロックを披露している！まぁVelcraの1・2作目に見られた高速ラップやシャウトなどはないにしても、彼女のルーツやトレンド、また得意とするものや求められているものの折衷を狙った（であろう）サウンドは、ブランクを感じさせない手堅さと歌声によってかなり良質なものに仕上がっているかと。中でも「Bloodsport」は何とSkold Vs. KMFDMのカバーで、しかも同郷の人気変態インダストリアルメタルバンド・Turmion KätilötのMC Raaka Peeとの共作ではないか！これは熱い。全8曲というミニサイズなボリュームで丁度いい感じはあるけども、今後はどんな顔を見せてくれるのか期待がもてる一作。かつてのVelcraリスナーは是非ともご一聴あれ。
今回の記事に合わせ、Jessi Freyが在籍していたニューメタル/インダストリアルメタルバンド・Velcraの1st～3rdを紹介した過去記事の文章を少し見直しているので、よろしければ合わせてご覧ください。
