MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Stone Sour "Audio Secrecy"

Audio Secrecy + DVD

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 SlipknotのCorey TaylorとJim Rootを擁するオルタナティブメタル/ハードロックバンドの3rdアルバム(2010年)。

 

 Slipknotの休止と入れ替わり活動再開、前作と同じメンバー・同じプロデューサー、約4年ぶり…と、条件で言えば前作と全く同じ形。しかしそれでも各人がしっかりと音楽活動を通じた成長を続け、前作の成功やその後の精力的なツアー/フェスの開催・参加など、Stone Sourとしても着実に階段を駆け上がっており、その成果が注がれた一作として非常に良質な出来かなと。Slipknotでのマスクを外した端正なCorey Taylorの素顔のように(えっ)端正なポストグランジ/ハードロックを今作でも貫いており、決して目新しいことはしていないとはいえ、彼らの中での表現として、新たな扉をいくつも開いて、より広く聴き手に浸透する楽曲やサウンドを達成しています。クリーンギターが活躍する「Say You'll Haunt Me」とか夕日が反射する水平線を思わせるようなスケールのアメリカンロックバラード「Hesitate」なんかは「うおお!」って思ったし、Slipknotをチラ見せするような激しめの曲も、ご愛敬というか余裕の中でやっている感じで、アコースティックバラードも大曲的な展開を見せつけるラスト曲もしっかり手の内、確信に満ち溢れていますね。Corey Taylorの歌とサウンドが乖離せず溶け合うように手を取り、一体感を増して(激しさとか速さという意味ではない)勢いにも乗っているのがありありと伝わるというか。流石でした。なお、本作は2010年初めに急逝したSlipknotのベーシスト・Paul Grayに捧げたアルバムでもあるとのこと。

 

 

 というわけで、聴いてみました彼らの3作目。恐らく初聴きだったと思うけど、いやー、とても良かった。今さらながらStone Sourに目覚めちゃったというか。これ以降の彼らの作品もゆっくりと追いかけてみようと思います。

 今回の更新に合わせ、Slipknotの4作目の紹介記事の文章を少し見直しているので、よろしければ合わせてご覧ください。なんかStone Sourと交互に聴いたりすると印象も変わるというか、より楽しめる気も?