MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

American Head Charge "The Feeding"

The Feeding

The Feeding

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 アメリカ/ミネソタ出身のニューメタル/インダストリアルメタルバンドの3rdアルバム(2005年)。

 

 実質的な1stとも言える前作がそこそこ売れ、大型のツアーフェスへ何度も参加するなど順調に活動を続けていたものの、前作のプロデューサーであるRick Rubinとの不和からの契約解除、またバンド内のドラッグの蔓延、ギタリストのメンバーチェンジなど色々な紆余曲折を経て、約3年半ぶりに完成した3作目。全体のメンバー数が7人から6人に減ってはいるものの、大所帯であることを生かした厚みと重みを主張し、曲調の変化やメリハリを強調するヘヴィロックという方向性は概ねそのまま。1曲の長さはそれほどではないにしろやたら忙しそうだし、前作は全16曲もあって聴いてる方もさすがに疲れてしまっていたんだけど、今作は全11曲と曲数が絞られているし、あまり込み入りすぎずフラットに聴けるようなパートの増加や終始歌い上げる系の曲なんかもあって、割とツルっと聴けます。「Dirty」なんかは今作ならではの良曲って感じでお気に入り。これだけでも結構印象が違ってきますね。オリジナリティまではもう一歩といったところだけど、Slipknotっぽさもいい感じに薄れてきています。ただ、これが俺らだ!と言わんばかりの濃いめの主張を、耳を引っ張って力づくで聴かせにくるような前作の豪腕っぷりもちょっと薄れぎみで少々物足りなくもあり、あちらを立てればこちらが立たずというか…我儘かもしれないけど、判断が難しい(笑)。しかし単に「前作が聴きやすくまとまった」だけではない存在感はあると思うし、彼らに初めて触れる一作としても割とアリかなと。

 

 

 この後に新作にも取り組んでいた中で、ギタリストのオーバードーズによる逝去、ボーカリストの脱退などが重なり彼らは2009年に解散してしまうんですが、その後に復活し2016年にアルバムをリリースしています。しかしその後にもまた色々とあったようで、なかなか安定した活動はできていないようですが…その辺りはまた別の機会に。

 前作の紹介記事はこちら。よろしければ合わせてご覧下さい。