Ministryのベーシスト・Paul BarkerによるソロプロジェクトのEP(1990年)。
1986年から2003年という長い期間Ministryに在籍し、ベーシスト/エンジニアとして右腕的な活躍を続けたPaul Barker。元々は、後にMinistryでドラムを叩くBill Rieflinらと共にポストパンクバンドで活動しており、Al Jourgensenとの出会いをきっかけにバンドを解散し、メンバーがそのままMinistryに合流するような形で1986年頃から加入という流れだったようです。で、彼は1989年前後にやたらと活発だったMinistryの多数の変名バンドにも全面的に参加しており、これもその一つ…かと思っていたら違って、あくまでもPaul Barkerが主体のソロプロジェクト。しかしAl JourgensenやBill Rieflinらも一部参加しているので似たようなものかも。本作は当時リリースされた2シングルを1CDにまとめたもので、内容的にはどことなくLaibachっぽさを感じるプロトタイプMinistry、みたいな雰囲気。どっしりとしたテンポと重さで強打されるリズムトラックにオーケストラ風のアプローチを重ねたインダストリアル/ニューウェイブといったところだけど、Laibachほどの風格は当然ないし、1曲が無駄に長い上にこれといった聴きどころや展開に乏しく、変名バンドにありがちなお遊び感覚も薄いので焦点がぼやけ気味。SOFT BALLETがそのまま歌えそうなエネルギッシュなエレクトロビートが爽快な「Idiot」だけが妙に浮いていて、かつ聴ける出来。まぁこれはMinistryのアウトテイクに近い楽曲のようなのである意味当然ではあるのだけど。一アーティストや作品としてどうこうというよりは、Ministryの変名バンドまで追いかけるようなリスナー向け、と言ったところでしょうか。
Paul Barkerについては、Ministry脱退後も音楽活動は継続しており、2018年ごろからはLead Into Goldとしての活動も再開。ohGrやSkinny Puppyと北米ツアーを敢行したり20数年ぶりのアルバムをリリースしたりしているようです。またAl Jourgensenとも2018年頃から再度意気投合しているようで、Ministryの最終作と予告されている次回作には数十年ぶりに作曲やレコーディングでの参加を表明しているとか。やはりMinistryのファンはPaul BarkerあってこそのMinistryと記憶している人も多いだろうし、この辺の動きも非常に楽しみ。
今回の更新に合わせ、Ministryの2作目『Twitch』、Paul Barkerが本格的に加入して初のアルバムとなった3作目『The Land Of Rape And Honey』の過去記事の文章を少々見直しています。『The Land Of~』については、先日X(旧Twitter)にてポストした内容を肉付けする形で加筆した部分もありますので、よろしければ合わせてご覧ください。
