MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

2024年良かったCD

 早いもので年末がやってまいりました。今年聴いたお気に入りのCDを記録しておこうと思います。

 

▼2024年良かった新譜10選(発売日順+個人的No.1)

Horskh 『Body』

Chelsea Wolfe 『She Reaches Out To She Reaches Out To She』

GosT 『Prophecy』

Cell Zero 『The Color Drains Out』

Bangladeafy 『Vulture』

:10: 『Horror』

genCAB 『III I II (Third Eye Gemini)』

I Ya Toyah 『Drama』

BUCK-TICK 『スブロサ SUBROSA』

Lord Spikeheart 『The Adept』

▼同じくらい良かった次点8作

KMFDM 『Let Go』

Brittany Bindrim 『Velella Velella』

PIG 『Red Room』

Bill Leeb 『Model Kollapse』

Haujobb 『The Machine In The Ghost』

En Esch 『Dance Hall Putsch』

HAZUKI 『MAKE UP ØVERKILL』

Marilyn Manson 『One Assassination Under God – Chapter 1』

 

Horskh 『Body』

BODY [Explicit]

 フランス出身のEBM/エレクトロニックトリオの3rd。一聴惚れした前作から3年、やはり期待以上のものを届けてくれたという感じ。メンバー構成も音楽性もそれほど複雑ではないだけに、伸びしろは実は限られているのかも、なんて懸念を完全に裏切る形で、パンクやEBMのアグレッシブ感とスピード感をべースに、メタル/ニューメタルの攻撃性やグランジの爆発力、ダブステップに接近するアプローチなどを並走させ、境界を設けずアイデアを放出していく形に進化。歌に関しても比重が割かれ表現が向上している感も。彼らのようなバンドが“Body”という単語を使うのはそれなりに意図や自信もあるのだろうけど、シンプルにボディミュージックに回帰したのか?という予想を裏切ってくる充実作。

HORSKH - Interface (Official Video)- YouTube

 

 

Chelsea Wolfe 『She Reaches Out To She Reaches Out To She』

She Reaches Out To She Reaches Out To She

 アメリカ・カリフォルニア出身のシンガーソングライターの7th。名前だけは見たことがあって今回初めて聴いてみたんですが、ものの見事に圧倒されました。1曲目を聴いた瞬間に身体が固まって、一呼吸置いてスピーカーを注視する…みたいなベタなリアクションを久々にやってしまった。押し潰された重低音のようなエレクトロニックや、ノイズ処理された各楽器によって生み出される静謐と寂寥のアンサンブルと、その暗闇を自在に泳ぐボーカル。自身が公言するインダストリアルやエレクトロポップ、トリップホップからの影響だけでなく、ルーツであるフォークやゴシック、更にはドゥーム/ブラックメタルなど広範囲に及ぶ素養が束ねられ、一言で表せないスケールと深みを軽やかに演出。本作の世界を拡張するアコースティックEP/リミックスEP(Justin Broadrickも参加)も合わせて聴くと更にどっぷりと彼女の世界に浸れて良き。

Chelsea Wolfe - Whispers In The Echo Chamber (Official Music Video) - YouTube

 

 

GosT 『Prophecy』

Prophecy

 アメリカ・ミシガン出身のJames Lollarによるダークシンセプロジェクトの6th。打ち込み/シンセを主体としたEBM~ダークエレクトロを基調に、ブラストビートやブラックメタル由来の荘厳で邪悪なムードを醸すギター、ちょっとレトロなエレクトロポップ/シンセウェイブにも通じるシンセのメロディやダンスビート。それらの要素が1曲の中で入れ代わり立ち代わりしながら先の読みにくい流れを形作っていき、聴き手に隙を与えず終末へ引きずり込んでいく。ボーカルは出番も少ないし一歩引いた位置での加工された叫びや唸りといったパーツのような使われ方なので、聴き心地としてはほぼ全編インストなんだけど、その展開の速さと巧みさで全く退屈しない。バイオレンスに特化/進化したSkinny Puppyといった感じ。

GoST - Judgment / Prophecy (OFFICIAL VIDEO) - YouTube

 

 

Cell Zero 『The Color Drains Out』

The Color Drains Out

 アメリカ出身の謎の人物のインダストリアルロックプロジェクトの2nd。あえて素性を隠しているのか情報がほとんど何も出て来ない。しかし音楽は一聴瞭然で明らかに90年代のNine Inch Nailsを彷彿とさせる。もしかしてTrent Reznorの生き別れの弟だったり?いや生き別れは余計か。ともかく、NINの影響下あるいは再現みたいなバンドはそれこそ幾つもあったけど、彼の場合は何と言うか「『Broken』前後のNINがもう少しシンプルな方向性へ進んでいたら」的なifを見せてくれているというか。NINらしい緩急や『Broken』に顕著な分かりやすい爆発力、電子音を駆使したオルタナやニューメタルへの接近など、そういった要素を真っ直ぐ突き詰めているところが、こういうのを久しぶりに聴きたかった自分に上手くフィットしたという。

Already Dead - YouTube

 

 

Bangladeafy 『Vulture』

 アメリカ・ニューヨーク出身のシンセパンクデュオの5th。ボーカル/シンセ/サンプラーとドラムの2人組で、2023年にはGodfleshの前座も務めている模様。元々ベース&ドラムの生音を主体としたインストのノイズロック/パンク/プログレだったところ、前作あたりからシンセ偏重のインダストリアルパンクへ舵を取ったのだとか。花火が弾けるような俊足ドラムと重層的に構築されたシンセというシンプルな構造のサウンドが、行き場を失ったエネルギーの放出のように鋭角に暴れ倒していく様が爽快。また、その激しさだけでは括れないアプローチの片鱗は、Suicideから始まりニューヨークのアングラシーンで隆盛を誇ったシンセパンク/ノイズロックの系譜を鮮やかに継承しているようにも思える。

BANGLADEAFY - "Whisper Rat" (Official Video)- YouTube

 

 

:10: 『Horror』

 アメリカ・ミシガン出身のSean Forsytheによるインダストリアル/IDMプロジェクトの8th。恐怖写真家兼ミュージシャンという二つの顔を持つアーティストで、音楽作品のジャケットには彼が制作したホラーとエロスと退廃美が融合する写真が一貫して用いられており、各楽曲をイメージした写真で構成されるフォトアートブックもリリースしている。聴く人が自由にイメージを喚起できるのが音楽の良いところだと思うけど、ビジュアルアートと音楽を一体にパッケージするという徹底した美学で一味違う楽しみ方を提示してくれる。心をざわつかせるようなアンビエント/ノイズと傷口をなぞるような痛々しく歪んだ複雑なビート、そして朧げに聴こえる囁きや叫びによって、生々しさと気味の悪さと儚さに満ちたまさにジャケットのような映像が脳内に広がる体験は、他では味わえないものでした。

Horror- YouTube

 

 

genCAB 『III I II (Third Eye Gemini)』

 アメリカ・ペンシルベニア出身のDavid Dattonのエレクトロニック/IDMプロジェクトのアルバム。10年間ほどの休止を経て2020年に活動を再開した彼が、休止する以前のデビュー作の再録音とその過程で生まれた新曲を合わせてパッケージした作品。Metropolis Recordsと契約してリリースした2023年作『Signature Flowers』がビックリするくらい素晴らしくて、でも発売年を勘違いしていたので昨年の振り返り記事では取り上げなかったのだけど、たった1作聴いただけで自分の中での超・注目アーティストになったのでした。EBM/シンセポップの要素と、自身のシューゲイザーバンドの経験を下地にしたメロウなロックバンドの感覚を併せ持ち、それらを摺り寄せるのではなく、互いに際立たせながら複雑なテクスチャーを展開している。そしてMetropolis Recordsに憧れていたというだけあってとんでもなくキャッチー。時代を先取りしていた音を更に今の力量で塗り替える豪腕、同時にこのジャンルの最先端を走ることを証明した一枚。

Perish The Thought- YouTube

 

 

I Ya Toyah 『Drama』

 アメリカ・シカゴ出身のAnia Tarnowskaによるエレクトロインダストリアルプロジェクトの2nd。歌手としてだけではなく、セルフプロデュースを行ったり自身もリリースするレーベルも運営するなど、手広く活動する才能高きアーティスト。ついでに言うと社会問題に寄与する運動にも熱心に参加している。インダストリアル系のスーパーグループのボーカリストに何度も抜擢されたり、著名なバンドとコラボやツアーで幾つも共演したりと昨今この界隈で活躍している彼女は、とにかく歌の力がズバ抜けている。エレクトロニック/ダブステップ/シンセウェイブ/メタル/ダンスポップなど様々なジャンルの要素がサウンドに詰め込まれているけど、その全てが彼女のヒロイックなボーカルを立たすため、活かすために全力を注がれている印象。そのクオリティもStabbing WestwardのWalter Flaksと共同で手掛け、Howie Weinbergがミックスを手掛けただけに怖いくらいに高く、特にツッコミどころがない(間違った聴き方)。

I Ya Toyah - Afterlight - YouTube

 

 

BUCK-TICK 『スブロサ SUBROSA』

スブロサ SUBROSA [通常盤] [SHM-CD]

 群馬出身のロックバンドの24th。ペースを落とすことなく1年8カ月ぶりの新作リリースとなった我らがBUCK-TICK。どうしたって注目は集めるし、どうしたって意味を持つアルバムではあったけども、櫻井敦司という絶対的なフロントマンを失ってしまった状況を冷静に受け入れ、「新しいバンドを組んだよう」「2枚組も考えたくらい曲を作った」と逆に自信を漲らす姿が頼もしすぎる。今井寿の歌とそれを軸に据えた曲というそれまでならオルタナティブだった方向性を表に引っくり返し、星野英彦の慈悲深い歌という新たな側面を携えながら、“この4人だからこその世界”を粛々と描き出す。1曲1曲聴いてるときは新バンドっぽく聴こえるのに、全体を聴き終えたら不思議と紛れもなくB-Tだったという感想に収束。これだけのキャリアと突然の悲劇の果てに「第二期」をこんなに力強く有言実行するなんて。彼らを好きで良かったと心から思えた一枚。

BUCK-TICK / 雷神 風神 - レゾナンス MUSIC VIDEO- YouTube

 

 

Lord Spikeheart 『The Adept』

 ケニア出身のMartin Kanja (Lord Spikeheart)の1st。2019~2023年に活動していたDumaというノイズ/グラインドコアデュオの元ボーカリストで、2024年に本デビュー作をリリース。Dumaが一作だけ残したアルバム『Duma』(2020年)も一応聴いたのだけど、とにかく異常な速さで連射されるノイズ/リズムトラック、空間と一体化する甲高いシャウトといった刺激の塊に「こういうの嫌いではないけどあんまり頻繁には聴けないかも」と思ったのだけど、本作はもう一瞬で惚れ込みました。何が違うのか?自分でもよく分からないけど、少なくとも本作には乱雑なトラップビート、整然としたインダストリアルテクノ、無慈悲なブラストビートと複雑に入り乱れるリズムの土台、絞り出す声や叫び声を交えながらも英語やスワヒリ語で的確に言葉を放つラップ、民族調のアプローチなど表現の機微があり、まるで台風のようなノイジーでエクストリームな全体像に聴き手を惹き込むうねりが強く存在するから。かな?ここら辺ソロならではの強みなのか、多数のDJやボーカリストやプロデューサーとのコラボの成果なのかは分からないけど、とにかく1曲1曲進めるごとに好奇心が刺激され、あっという間に聴き通してしまう。これを聴いたとき、今年はこれを超える衝撃に出会えるのかな?と思ったけど、結局自分のNo.1の座をキープしたままでした。どことなくGodfleshやJK Fleshを感じる部分もあるので、そちらが好きな人にも刺さると思います。

Lord Spikeheart - TYVM (Official Video) ft. SAIONJI BBBBBBB- YouTube

 

 

 こんな感じです。候補としては他にもHaujobb、Terence Fixmer、Neon Insect、Blush ResponseなどなどEBM系でいくつも傑作があって気分でいくらでも入れ代わっていいくらいだし、何ならPIG、KMFDM、En Esch、Skold (Love Ghost & Skold)、Marilyn Mansonなど親戚一同みたいな(?)お馴染みの顔ぶれも一斉に新譜が出ていてしかもどれも良かった…となかなか充実していて、本来なら管理人はそこをぐるっと一巡するだけでも十分に満足できるくらいなんだけども。最終的には「今年初めて知った」「今年初めてちゃんと聴いた」アーティストで印象深かったものも少なくなく、そちらを自然と優先する形になりました。とにかく新譜を追いかけるのが追いつかないくらい満足できた一年だったなという。

 なので「来年は新譜10枚にこだわらず~」とか昨年の振り返り記事で言ってたけど、なんかそれはそれで別の苦労がありそうなので一旦ナシに。新譜以外は再生回数での振り返りで十分かなと。と言うか正直に言うと、基本的に聴く時間も発掘する時間も旧譜の方が多いので、新譜についていつか(一応)まとめるというモチベーションがないとなかなか手に取ろうとしないというのもあるし、日々の生活のその時々で発見したもの、聴いていたものなんかはX(旧Twitter)にポストすることで自分の中で発信に区切りがついて内圧が逃げてしまうというのもあったりで。難しい。

 

 

▼その他、今年よく再生した人たちなど

ASIAN KUNG-FU GENERATION 『Single Collection』 (2024)

Avril Lavigne 『Greatest Hits』 (2024)

Beth Gibbons 『Lives Outgrown』 (2024)

Bôa 『Whiplash』 (2024)

THE BLUE HEARTSTHE BLUE HEARTS』 (1987)

FANTASTIC◇CIRCUS 『TENSEISM BEST SINGLES【2001-2004】』 (2024)

Front 242Official Version』 (1987)

Judas Priest 『Painkiller』 (1990)

放課後ティータイム放課後ティータイムII』 (2010)

Led Zeppelin 『Mothership』 (2007)

lynch. 『FIERCE-EP』 (2024)

Neu!Neu! 2』 (1973)

『Nintendo Music』 (2024~)

SOPHIA 『BOYS and』 (2024)

THEE MICHELLE GUN ELEPHANT 『GRATEFUL TRIAD YEARS 1995-2002』 (2002)

ドラゴンバスター オリジナルサウンドトラック』 (2023)

黒色エレジー 『Kokushoku Elegy』 (2020)

米津玄師 『LOST CORNER』 (2024)

 

というわけで、再生回数のデータ上位や、その中で印象的だったものなど抽出するとこんな感じに。やはり自分のブログで長編記事の題材にしたアーティストは、記事を書くときと書き終えた後の余韻のヘビロテで再生数が跳ね上がり気味。

 そんな中で突出したのがASIAN KUNG-FU GENERATION。別にこれ某アニメきっかけとかではなくて、今年発売したシングルコレクションからのマイブーム再来です。元々彼らについては、たまたま割と初期の頃に存在を知って聴き始めたという理由で少なからず特別な情があって、以降めちゃくちゃファン!という程ではないにしろ、なんやかんや今に至るまでずっと長い付き合いが続いているという。なので毎年それなりに聴いているし、トータルの再生回数も結構高めだったり。6位以下になるけどそのすぐ下にはTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの名前も。正直に言うと彼らについては代表曲をいくつか知っていた程度で、でも興味はあっていつかちゃんと聴きたいと思っていたところに件の訃報があって。改めて耳を向けるとこんなにも格好良かったんだなと今ごろになって気づくことになり、噛みしめるように色々と漁り続けていました。そんなこんなで、自分は非ヴィジュアル系のロックバンドは超有名どころしかあまり聴かないけど、今年はその比率が若干多くなったような気もします。

 洋楽で再生数が最も多かったのはFront 242。なんかこう原初で古典のEBMを例年以上に摂取したい気分だった…のかも。勉強にもなるしね。あとは作品(楽曲)数の少なさの割にNeu!がそれなりに上位だったり、MetallicaとかJudas Priestなどニューメタル以前のヘヴィメタルをもっと開拓したいなという思いがあって自分にしては珍しく沢山聴いていたりとか(名盤『Painkiller』と最新作『Invicible Shield』を交互に聴いたり)していましたかね。

 その他、よく聴いたアルバムとして挙がるのが、 “ポップパンクの歌姫”だかの異名を持つカナダのSSW・Avril Lavigne 『Greatest Hits』のベスト盤。ドンズバ世代なもので。あとは我々世代かつオタク志向な人々にアニメ「serial experiments lain」のOPテーマ「Duvet」という形で洗礼を浴びせてくれたUKのインディーポップ/ロックバンド・Bôa の19年ぶり4th『Whiplash』 。10月31日より配信開始された任天堂ゲームミュージックのサブスクアプリ『Nintendo Music』、バンダイナムコの音楽レーベルにて昨年くらいから配信されている往年の名作レトロゲームのサントラシリーズ『ナムコ レジェンダリー』もゲームBGM枠として外せない。80年代に活躍したゴシック/ポジティブパンクバンド・黒色エレジーの27年ぶり(!)となるコンピ盤もよく聴いていました。この辺りの界隈ももっと深く知りたいところ。

 

 

▼以下、音楽と関係ない話

 今年はテレビを観る時間が大幅に減ったので(理由は…まぁアレです)、その分の時間はYouTube鑑賞やゲームに費やしていたかなと思います(あれ?音楽は?)。ゲームに関してはちょっとした事情や気分の問題で新作ソフトはほぼノータッチで、手持ちのソフトの進行・やり込み、レトロゲームや長年続けている運営型ゲームをルーティン的に触るとか主にそういう過ごし方をしていました。結果、昨年から見送り続けている新作ソフトがいい加減凄い量になってしまっているので、来年は「近々遊びたい新作リスト」を一気に消化したいし、そうこうしているうちにNintendo Switchの後継機も大々的に発表(あるいは発売)されるだろうしで、気分的には今年よりもずっとゲーム漬けの年になりそうな予感がするし、実際にそうしたいと思っています(あれ?音楽は?)

 

 そんな中で新たにドハマりしたコンテンツとして、漫画『ふつうの軽音部』は確実に外せない一年となりました。管理人は漫画も好きで人並みくらいには読んでいるけど、作品を選ぶ基準が基本的に作者単位なので「今話題の~」とかそういう理由でゼロから興味を持つことは殆どなかったりします。そんな中でこの作品が新たに始まることを知ったとき、自分の興味のある内容──バンド&軽音楽部ものというのもあったけど、それ以上に告知を一目見た瞬間になんだかピンと来るものがあって、吸い寄せられるように第1話から入り、気がついたらかなり夢中になっていました。部員数十人の大所帯の軽音部へ、買ったばかりのギターを背負って入部した初心者女子高生の物語。“陰の者”を自称するくらいに自虐的、だけど実は努力家でボーカル&ギターポジションに密かに憧れる情熱を持つ憎めない頑張り屋な主人公。今までありそうでなかった舞台と、クラスや部活動に少しずつ打ち解けていく中での山あり谷ありな日常、思春期ならではの人間関係の葛藤や齟齬が織りなす青春っぷりがむず痒くも心地よく、やらかして凹んでは努力し成長する様や、重要なポイントで登場する実在の邦ロックバンドの楽曲が作中の演出とシンクロしながら昇華されていくシーンが少年漫画らしいカタルシスをもたらし実に爽快。あっと言う間に人気を博し、連載1年足らずで「次にくるマンガ大賞2024 Webマンガ部門 第1位」「このマンガがすごい!2025 オトコ編 第2位」などに選出されるなど多方面から注目を集めているようです。この感じだと来年はきっとアニメ化もしくは実写化などのメディアミックスもありそうで今後も目が離せない。ちなみに作中で使われる楽曲は比較的新しめ?のバンドのものもあるようだけど、主人公の好みに関しては父親の影響が大きいという設定があるため、ちょっと前の邦ロックバンド全盛の楽曲が割と多く出てくるので、年齢高めの読者にもきっちりと響くものが。特別な才能で無双したり、カリスマギタリストが活躍したり、オリジナル楽曲で世界を変えたり…みたいな内容ではなく、タイトル通り漫画の舞台もお話の規模感もどこまでいってもいち部活動の内の話。だけどそれがいい。むしろそれがいい。気になった方は是非ともジャンププラス公式サイトから無料分を試しに読んでみてはいかがでしょうか。

 

 

 そんなこんなで、今年はこの『ふつうの軽音部』を読んだり、ブログで長編記事を書いたのを機に『けいおん!』のアニメと映画を全話再視聴したりなんかして、自分の中で楽器熱が高まったというか、触発されるように久々にちょこちょこ触ったりもしていました。せっかくなので来年も続けたいところ。

 

▼おわりに

 今年はいきなり大変な災害が起こってしまうし、以降も気候変動による異常気象や過ごしにくい日々が続いたりと、何かと辛く感じることが多かった気がします。そんな中を随分とエンタメに支えられたわけだけど、昨今の物価高がいよいよ音楽やゲームにも無視できない影響をもたらしてきて、特にフィジカルなんかはギョッとする値段にもなったりしてて世知辛い。しかしそれも仕方のないことだし結局は欠かせないものでもあるので、今後も上手く付き合っていくしかないと思う次第です。なくなってしまうよりはずっといい。

 一方で10月くらいから体調が不安定気味でちょっと前に久々にガッツリ寝込んだりもして、日々の暮らしや健康面などなど何にしても当たり前のものが当たり前に存在すること・できることの有り難さ、尊さみたいなものへの実感は年々増すばかりでして。なかなか難しいかもだけど、よく言う“失って初めて気づく”よりも先に、何ごとにも感謝する目線や気持ちは普段からできるだけ忘れないようにしたいと思います。

 それはこのブログをご覧になって下さる方々についても同様で。今年も(自分にしては)沢山の人に来ていただけて嬉しい限り。もはや一生かかっても消費できないくらいコンテンツが溢れ返っているご時世で、ほんの僅かな数分でも自分の書く文章に時間を割いて下さる方がいることに改めて感謝しかありません。ブログを書くことは好きなのでもうちょっと更新したい気持ちはあるのだけどなかなか。YouTubeを観たりゲームをプレイする時間の方がもっと好きなので(オイ)。ともあれ、今年もなんだかんだ無事更新してこれたことだし、来年も無理なくやっていければと思います。

 それにしても今年の夏は異常な暑さだったのに、冬は冬でしっかり寒すぎるのはなかなかに堪える。風邪やインフルエンザがかなり流行っているようなので、どうかお気をつけてお過ごしください。今年の更新はこれで最後になります。ここまで読んでいただきありがとうございました。

 よいお年を。