MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Devin Townsend Project / Addicted

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 カナダ出身のヘヴィメタルシーンのマルチミュージシャン/プロデューサー・Devin Townsendのソロ通算12作目、Devin Townsend Project名義での2作目(2009年)。

 

 前作よりなんと半年でのリリースとなった作品で、活動の再開とともに予告された4部作の2作目。毎作扱うテーマを変えるという性質のせいかバンドメンバーも一新し、かつてのThe Devin Townsend Bandの元メンバーと中心に制作。それ故か、それこそその頃の作風に立ち返ったかのように、キーボードや厚いコーラスを取り入れたお得意の煌びやかで壮大なヘヴィネスが軸となっているけど、大きな違いとして、以降も彼と継続的にコラボレーションをしていく元The GatheringのAnneke van Giersbergenを初めてゲストに迎え、彼女のボーカルを大きくフィーチャーし、そしてとにかく全体的に聴きやすさを重視。Devin Townsendの代名詞とも言えるプログレッシブ志向の楽曲も、長さやアレンジに気を配り決して耳に重すぎない仕上がりだし、純粋に過去イチと言えるほどに軽快でキャッチーなリード曲「Bend It Like Bender!」のダンサブルなノリやデュエットボーカルの妙、2007年のソロ作「Ziltoid~」で一際印象的だった名曲「Hyperdrive!」の女性Vo.版など、どこをとっても非常に分かりやすく耳馴染みが良い。後半には前作「Ki」を継承したロートーンの楽曲が並び、最後に再び大団円の大曲へ還っていく…という全体の流れも実に秀逸で、全10曲約47分という比較的コンパクトな中にこれでもかと美味しいところが詰まっているという収まりの良さ。従来の持ち味と新しい引き出しがしっかりと合致したという点で傑作だし、久々に(?)入門用としても適している一枚かと。

 

 

 今回の記事に合わせ、過去に書いたDevin Townsendソロ名義の2nd・3rdアルバムの紹介記事の文章を少し見直しているので、よろしければ合わせてご覧下さい。