MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Dope "Life"

Life

Life

  • アーティスト:Dope
  • Epic
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 アメリカ/ニューヨーク出身のオルタナティブメタル/インダストリアルメタルバンドの2ndアルバム(2001年)。

 

 ギタリスト・Tripp Eisenがバンドを脱退し、元々はベーシストとして加入予定だった重要人物・Virusをリードギタリストに迎え、その他メンバーチェンジやパートチェンジなども挟むなど、バンドの構成が一新されてのリリース。2作目にして、前作に見られたインダストリアル要素を早々に手放し、ナチュラルかつヘヴィなメタル/ロックへ転身。同時に楽曲のクオリティも格段に向上し、軽快な楽曲ももちろん楽しませてくれるけど、メロディアスな楽曲の成長が特に著しく、 "過剰なくらいに物悲しい美メロディ" が本当に癖になっちゃうほど。シングル化された「Now Or Never」やピアノソロから始まる「With Or Without You」の切なさは一級品だし、叩きつけるリフが印象的な「Nothing (Why)」はやっぱりMarilyn Mansonの某曲まんまなんですが、サビはそんな印象すら帳消しにするくらいに響いてきます(えっ)。そしてその分、「Die MF Die」のようなライブの暴れ曲のような曲も光る。本作のプロデューサーはOrgyなどを手掛けたJosh Abrahamなんですが、この聴きやすさ/メロ重視スタイルへの強力な傾倒は、この人の手腕が大きいのかも(後にStatic-Xでも良く似た方向性の作品を手掛ける)。その分、後追いだとDopeとしてはやや異色作のように浮いた感もあるけど、むしろ本作こそが魅力的に映る向きも多いはずだし、彼らの躍進に繋がったのも事実。注目すべきアルバムです。