アメリカ/ニューヨーク出身のオルタナティブメタル/インダストリアルメタルバンドの3rdアルバム（2003年）。
レーベルの移籍、Dope兄弟の兄でありキーボーディスト・Simon Dopeの（転職による）脱退、そして、この先も続いていくボーカリスト/メインソングライター・Edsel Dopeによるセルフプロデュース体制のスタートと、何かと区切りにもなった3作目。喧嘩別れ等ではないとはいえDope兄弟の離別は、当時としてはパワーダウンを不安視するような見方もあった（かもしれない）だろうけど、それを跳ね返す充実作に仕上がっています。ノリと歯切れの良いラウドなバンドサウンドでゴリゴリと押すスタイルが強化。前作の特色だった哀愁の歌メロの強調は（やはり主にプロデューサーの意向だったのか）引き継がれてはいないけど、それでもキャッチーに聴かせる手腕に翳りはなく説得力十分。そして「Sing」「Another Days Goes By」のようなアコースティックナンバーを新たに導入しそちらで歌をじっくり聴かせ、その意図的な温度差や二極化によって新たなDope像を形成しています。シャウトもクリーンボーカルも高いレベルで安定しているし、もはや "Marilyn Mansonフォロワー" なんて枠には収まりきれない、むしろとっくのとうに飛び越えた成長ぶりが見て取れます。インダストリアルメタル要素はほんの僅か飾り程度だけど、そこにこだわるバンドでもないし、広くお勧めできそうなアルバムです。
