MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Wiseblood / Dirtdish

Dirtdish

Dirtdish

 

 FoetusことJG Thirlwell(本作ではClint Ruin名義)とSwansの元ドラマー・Roli Mosimannによるインダストリアル/ノイズロックユニットのアルバム(1987年)。

 

 Foetusが活動の拠点をロンドンからニューヨークに移した際に結成されたユニットの唯一のアルバムで、セッションプレイヤーとして活躍していたRobert QuineやSwansのNorman Westbergの両ギタリスト等も参加。何とも通好みのしそうなコラボだし、個人的にSwansは初期の方しか知らなくて、とてつもなく遅くて重い怨嗟の音楽というイメージがあったけど、本作に関してはそこまでマニアックなわけでもなく、小粋なギターやシンプルながらも存在感を放つジャンクなドラムで小気味よくロックンロールしてます。これ以前のFoetusの音楽よりも噛み砕かれフィジカルが強調されたような感覚があり、素直に入り込みやすい。そしてFoetusの型破りで奔放なボーカルは流石としか言いようがなく、一時も耳を離させないばかりの歌と咆哮。特に「Someone Drowned In My Pool」は彼の独壇場。前半はジャジーなムードに浸りきり、終盤で一気に音が増え怒涛の展開の中で同一のフレーズを叫びながら混沌としていく流れは鳥肌もの。また「0-0 (Where Evil Dwells)」は個人的にFear Factoryの強烈なカバーを先に聴いていたので、原曲の(これはちょっとSwansっぽい)抜き身のような迫力を確認できて満足(凄い曲!)。インダストリアル(ロック)に限らず、様々な影響を与えたレジェンドの共演とNYアングラシーンの熱量を記録した稀有な作品。ちなみに1995年の再発盤にはシングル盤の音源も収録。ミニマルビートが心地よい「Motorslug」は大好きな一曲。んで、あちこちで名曲とかFoetusのお気に入りとか言われていた「Death Rape 2000」の方は…これは…