MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Crossbreed / KE 101

Ke 101

Ke 101

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 アメリカ/フロリダ出身のニューメタル/インダストリアルメタルバンドの2ndアルバム(2009年)。

 

 前作以降、活動は順調そうに見えたものの、メンバーの相次ぐ脱退やレーベルとの契約終了などもあり、バンド存続の危機に近い状態にまで陥った彼ら。しかし新しいメンバーを募り自主制作から再スタートを切るなどし、何とフルアルバムとしては8年ぶりとなる本作のリリースにまで漕ぎつけました。音楽的な方向性は前作から何ひとつ変わっていないエレクトロニックの要素を全面的に重用したニューメタルなんだけど、なんだろう?こっちの方が遥かに格好良い。ヘヴィな部分はよりヘヴィになり、一方でキーボード/エレクトロニックの音色やフレーズは不協和音ギリギリのようなヒステリックな大胆さを強調。楽曲も無駄な押し引きが減り(展開の)テンポが良くなっていて、音響面での破壊力や攻撃的なアプローチの向上/強化がとてもスムーズに形になっている印象を受けます。Celldwellerのツアーサポートをした人物が制作に大きく携わったというのも大きそう。Stevie Wonder「Superstition」のカバー(!)というちょっと外した楽曲すらも披露しちゃう余裕も。メロディアスな楽曲はかなり減ったけど、ちょっと中途半端な出来だった1作目より断然好き。しかし復活も空しく結局彼らは翌年に解散してしまったけど、90年代後半~2000年代辺りのインダストリアルメタルをまるっと一塊で愛好しているような人にはお勧めできるかと。

 

 

 今回の記事に合わせ、過去に書いた1作目の紹介記事の文章を少し見直しているので、よろしければ合わせてご覧下さい。

 

 

 そんな彼らですが、解散後も音楽活動は続けており、結成時からのボーカリストと2005年より加入したキーボーディストの2名を中心に2021年に再結成を果たし、約13年ぶりとなる新曲を公開。今後も継続的な活動を予定しているようで、続報を楽しみにしています。