MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Dope "Blood Money Part 1"

Blood Money Part 1

Blood Money Part 1

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 アメリカ/ニューヨーク出身のオルタナティブメタル/インダストリアルメタルバンドの6thアルバム(2016年)。

 

 当初の予定より約2年半もずれ込み、結局前作より約7年という最長スパンでのリリースに。二部作での構想が予定されており、タイトル通り本作はその1作目のようです。やはりというか今作でも当然のように制作陣が(Virus以外)入れ替わっているけど、Edsel DopeとVirusの2人が中核を担うといういつもの形ではなさそうで、楽曲制作や各種パートに境界を設けず広く重用しているようだし、本作の発売前に初期のメンバーで初期アルバムのツアーを行ったのを契機に久々に合流した人物もいるなど、割と和気藹々とやってるっぽいです。良かった。かと言って別に例えばバラエティ豊かだとか大きく作風が変わるわけでもなく、ここに来てそれまでさほど重要視してこなかったインダストリアルメタルとしての側面を強調する方向で統一。激しいメタルリフの裏で別の色を加える機械的な効果音、引っ掻き傷を残すようなエレクトロニックなどが重なり、ダークでクールなヘヴィサウンドとして磨きをかけています。不穏なインタールードを複数挟んでいるのもその印象を強めていたり。しかしそこだけに特化という訳でもなく、ニューメタルの作法やメタルコアのスピード感、テクニカルなギターソロなどを駆使し、積み上げたキャリアと今鳴らすべきトレンドを融合させ、総合力でしっかりと勝負をかける。 "理屈抜きの格好良さ" を体現しています。ちょっとギャングスタ感というか従来のワルいノリはやや抑え気味だけど、楽曲の良さや切れ味だけで十分に満足できるレベル。彼らが現役であることに感謝したくなる傑作であります。しかし、次作Part 2についてはあまり待たせず作るみたいな感じだったのに、結局また長くなりそうな…まぁ こんな仕事 してたら仕方ないか。

 

 

 そんな彼らの過去作についても、だいぶ前に紹介記事をひと通り書いており、今回を機に全体的に文章を見直していますので、よろしければ合わせてご覧ください。思えば我が心の師・TCRさんが大好きなバンドだったよなぁDope…。そのお陰で管理人もかなり聴いたし、この手のジャンルの入り口としても助けられた記憶があります。初期はMarilyn Mansonに激似だったというのも大きいけど。