カナダ出身のヘヴィメタルシーンのマルチミュージシャン/プロデューサー・Devin Townsendのソロ通算7作目、Devin Townsend名義での4作目(2004年)。
ここまでのソロ活動やエクストリームメタルバンド・Strapping Young Ladにて貪欲にメタル道を追求してきた彼が放ったもう一つの顔。ソロにおいては元より積極的だったアンビエント系のアプローチを、あらゆる角度から思うさまぶちまけた外伝的作品と言えそう。“あらゆる角度”というのがポイントで、前作のボーナスCD「Project EKO」にて発表していたアンビエントポップの延長とかかな?という先入観を裏切るような──環境音やエレクトロニクスを駆使した不穏なノイズが渦巻いたり、神秘的な空間サウンドを金属質なノイズが覆い尽くしたり、その裏では悲鳴や叫びのような声が薄っすら差し込まれたりといったダークアンビエントが蔓延る前半は強烈な爪痕を残します。そして中盤以降は穏やかなさざ波、はたまた宇宙空間のような静寂の音空間を紡ぎ、やがてお得意の大陸的なアンビエントへ帰結。まるで何かしらの物語を暗喩するかのような流れ。アルバム名は彼の所持するスタジオ名でもあるようで「Devin」と「Laboratory」の合体だろうし、その名の通りひどく実験的。万人受けしないことを覚悟の上か、音源の販路も公式サイトのみと限られていた模様。怖いジャケットや番号のみが振られた曲目もその印象を加速。徹底してますね。しかし決して独りよがりなものにならず、ちゃんとリスナーを楽しませようとする工夫も感じられ、思いの外楽しむことができました。彼のファンであれば興味深く聴けるかと。
