イギリス出身のインダストリアルロック/EBMユニットの1stアルバム(1993年)。
結成当初からこの1stアルバム制作時までは4人編成で活動していて、本作リリース後に2名が脱退し、以降デュオ体制となったようです。本作はインダストリアルロック、エレクトロインダストリアル、EBMなどあれこれジャンルづけされるようだけど、一聴してまず耳に飛び込んでくるのが、非常に安定した4つ打ちのリズムを軸とした構成。どの楽曲もこのスクエアなビートがどっしりとど真ん中に鎮座し、サンプリングを駆使したサウンドメイクもフレーズの反復をひたすらに繰り返す。歪みの効いたギターは加工され記号的に用いられることで、楽曲の荒っぽさや推進力を増幅する装置として機能し、怒りを込めたような常時シャウト気味のボーカルに扇動され、一定のテンポと熱を帯びた肉体性がひたすら続いていく、とにかく一方向の手法と美学が突き詰められています。聴かせるというより踊らせる、作品としての起伏や幅よりも一貫性、そんな割り切りが驚くほどに潔い。実際にはリズムにもレイヤーがあって、楽曲によってはEBMテイストが濃くなったり、ボーカルもその有無やテンションをいくらかコントロールしていたりもするのだけど、そういう細かい違いをつつくよりも、流しっぱなしにしてラフに向き合う方がきっと楽しい。当時イギリスを中心に流行したレイヴカルチャーの雰囲気や流行を、インダストリアル/EBMに転用したかのようとも言え、意外と同系統ジャンルに彼らと近い作風のアーティストはあまり思い浮かばない。何ならAtari Teenage Riotやテクノ系の方が近いかもしれない。そんな独特の存在感を早くも示した一枚。
今回の記事に合わせ、彼らの2ndアルバムの紹介記事の文章を少々見直しているので、よろしければ合わせてご覧ください。
ちなみに先日更新したChemlab『Oxidizer』のプロデュースに参加し、自身を中心としたコラボレーションユニット・Featuredにて現在活動中のJulian Beestonは、このCubanateの元メンバーでもあります。ただ、加入していたのは本作と2ndアルバムのちょうど隙間の僅かな期間のみで、それぞれのアルバムの制作には関与していない模様。
