カナダ出身のヘヴィメタルシーンのマルチミュージシャン/プロデューサー・Devin Townsendとカナダ出身のシンガーソングライター・Ché Aimee Dorvalによるカントリーロック/アンビエントデュオのアルバム(2014年)。
2009年作11thアルバム『Ki』にゲストボーカリストとして参加した女性シンガーソングライター・Ché Aimee Dorvalと本格的にタッグを組み独立した名義でリリースされたアルバム。一応、元の着想としてはDevin Townsend Project名義の最後を飾る作品を予定していたものらしいけど、あまりにも従来と異ジャンルすぎるから独自プロジェクト扱いにしたのかな?と推測してしまう程に別物。柔らかい感触のブルース/カントリー調の楽曲、その多くでメインで優雅に歌われる女性ボーカル、常に囁き同然のDevin Townsendの歌、アコギ、パーカッション、フルート、サックスなどをふんだんに使用した音響豊かなサウンド、またそれらが境界なく混ざり合うアンビエントな楽曲の美麗さ。振りきっちゃってます。過去に民族的/土着的な味つけの楽曲を飛び道具あるいはワンポイント的に魅せることはあったし、近々の作品でも『Ki』『Ghost』はアンビエントに大きく寄せた驚きの内容でありながらもまだヘヴィロック/メタルの要素が無くはなかったのだけど、今作での徹底ぶりは頭一つ抜けていて、そういう音“だけ”を期待したら2~3曲目あたりで回れ右をしたくなるかも。しかし彼ほどのキャリアのある人間が「最も自身の心を反映した音楽」「最もやりがいのある/気に入っている音楽」と太鼓判を押すだけに、底の知れなさみたいなものも確かに感じます。歌、楽曲、楽器…良い意味でどれが主役とも言えない不思議な感覚。彼の心象風景や人生観を丁寧に描き出したサウンドトラックのようなものだと解釈し、流れていく音と雰囲気に贅沢に身を委ねるように聴くのが正解かも。70分超えの全15曲、デラックス盤はアウトテイクや没になった『Ghost 2』の音源を収めた65分全13曲との2枚組。やりきってる!これぞ「Devin Townsend最強の番外編」。
今回の記事に合わせ、過去に書いたDevin Townsendを中心としたエクストリームメタルバンド・Strapping Young Ladの最終作5thアルバムの紹介記事の文章を少し見直しているので、よろしければ合わせてご覧ください。
