MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Devin Townsend 『The Hummer』

The Hummer

The Hummer

  • HevyDevy Records
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 カナダ出身のヘヴィメタルシーンのマルチミュージシャン/プロデューサー・Devin Townsendのソロ通算9作目、Devin Townsend名義での5作目(2006年)。

 

 前作『DevLab』に続くアンビエントアルバム第2弾で、同様に公式サイトのみでの発売。今回は前作と違いちゃんと各曲に曲名がついているけど、15分超の楽曲が2つ(!)、23分の楽曲が1つ(!!)を含む全6曲72分超え(!!!)とやはり一筋縄ではいかなそうな予感。そして再生して驚くのは、前作以上にマニアック…というか本格?アンビエントへ。真空パックされヒタリとした空間に、低周波の無機質な機械音のようなものがひたすら鳴り続け、やがて残響だけが時間をかけてめちゃくちゃゆっくりと増幅されていったり、鼓動のようなリズムが薄っすら刻まれたり、環境音のようなノイズが垂れ流され続けたり…と、そういった音像がずーーっと続きます。あとは3曲目の頭でフルートが鳴るけど、他では映画のサンプリングやモールス信号なども含む箇所もあるのだとか。前作も普段の彼の音楽からは想像もつかないものだったけど、本作の極端さに比べるとまだインスト音楽としての起伏や展開が考え抜かれているような側面もあったなと思えるほど。さざ波の音が心地よい最終曲はいくらか光を感じますけどね。よほどのファンが、普段の彼の音楽とのギャップありきで楽しむべき作品か。しかし万人受けしないという前提で制作するのなら、むしろこのアンビエントアルバムこそ別名義でリリースすればいいのにとお節介にも思ってしまいます。