Strapping Young Lad / Alien

 カナダ出身のマルチミュージシャン/プロデューサー・Devin Townsendを中心としたエクストリームメタルバンドの4thアルバム(2005年)。

 

 前作「SYL」が最終作になるかもという発言もあったそうだけど、活動の継続が決まり制作された2年ぶりのアルバム。前作の強烈なデスメタル/グラインドな方向性から離れ、雄大で豪快なシンセ、超人的なドラム、咆哮化したメロディアスボーカルなどが緻密に重なり合った轟音が激しく流れていくという、傑作「City」を少し彷彿とさせる音の組み立て方に回帰しているようにも思えます。が!、楽曲の展開があまりにも多様かつ複雑で、それほど長くない1曲1曲の中での緩急や展開の付け方が非常に強烈なうねりを伴い、重苦しい不協和音のような旋律や楽曲同士の繋がりも一部意識されるなど、Devin Townsendのプログレッシブ志向をSYLに持ち込んだかのようなダークかつヘヴィな内容に。つまり別物。入り口の2曲目「Skeksis」が試金石というか、いきなり提示されるこの6分超の楽曲についていけないと、その後はきっとほぼ全部無理かもという(笑)。一方で終盤ではアコースティックな小品で谷を作るし、ラストを飾るは12分近いアンビエントインストだしで、ソロのアプローチとの境界線も曖昧と化したような新境地も。ただ流し聴くだけでも多大なカロリーを消費してしまいそうで、爽快感が勝った「City」ほど気持ちよく聴けないのが正直な感想ではあるけど、完成度としてはやはり圧倒的な上に、決して過去の再生産には終わらない才能の放出っぷりにはひれ伏すばかり。実質ラスト曲「Zen」もSYLらしい大名曲。人には勧めにくいけどファンなら必聴の一枚。