4人組ヴィジュアル系ロックバンドの6thアルバム（2006年）。
文字通り6枚目のアルバムで、5thの「鵬翼」より約5ヶ月という短期間でリリースされた、日欧同時発売の特別アルバムという位置づけの作品。インスト曲から始まるのは恒例ではあるけど、それを除くと8曲約29分となかなか短め。最初はミニアルバムだと思ってました。作風としては、かいつまんで言うと「鵬翼」以前のヘヴィネスに回帰している節があり、これぞムックだと言わんばかりの豪腕ヘヴィロック「空虚な部屋」から始まり、ラフでパンキッシュな「フォーティーシックス」、達瑯とミヤのハイテンションなツインボーカルで人間間の争いを皮肉る「神の星」など、重量とスピードを持って突っ走っていく様が爽快ですらあります。そして曲調にも歌詞にも希望を感じさせる青春パンクロック「夕紅」に繋ぎ、「遥か」でしっとりと締めるという非常に簡潔な内容。この頃から彼らはWacken Open Airへの出演など海外で本格的に活動を開始しており、そこに向けてバンドの持ち味や得意な部分を整理し、改めて自己紹介的な作品を作るという意図があったのかも。日本のファンにとっては、バンドがややマイルドになった「鵬翼」に対する埋め合わせだったり、アウトテイク集（かどうかは知らんけど）的に楽しめる小品といったところか。彼らの他のアルバムを色々聴いた後に聴くのがお勧め。
