アメリカ/カリフォルニア出身のニューメタル/インダストリアルメタルバンドの3rdアルバム（2003年）。
ドラマー・Ken Jayが脱退後にリリースされたアルバムで、ここでバンドが大きく方向転換。プロデューサーが変わったせいもあるのか、これまでのイメージを大きく覆すようにメロディを前面に押し出して来ました。特に「The Only」「So」「Invicible」あたりの哀愁メロ漂うバラードは、もはや別のバンドになってしまったような衝撃。て言うかDopeの2ndみたい（そういやプロデューサー同じだ）。メロディを重視していない楽曲も、小気味よくキャッチーなリフや歌い回しが目立つ楽曲がほとんどで、それらが平均して3分程度の長さの連続でコンパクトに駆け抜けていきます。聴きやすさに特化したかのような変化という感じだけど、個人的に彼らの魅力といえば第一にヘヴィでダンサブルなビートだと思っていたので、1stから順番通り聴いていた身としては、これはこれで良いという気持ちもありつつ、軽い違和感もありつつ、と半々に近い気持ちでした。Wayne Staticのボーカルとメロディアスな歌はミスマッチだという感想も見られるし、それも一理あるかも。でも、やっぱりスマートになりきれない、どこかB級臭いStatic-Xらしさは失われていないと思うし（褒めてるのか？）、この分かりやすさも一つの正義だと思うんですよね。結局この路線は後に続かなかったので、結果として方向転換ではなく寄り道みたいになったけど、ここでしか聴けない彼らの魅力というのも確かに存在したのでした。
