MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

The Dreaming / Rise Again

Rise Again

Rise Again

  • アーティスト:Dreaming
  • Metropolis
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 元Stabbing WestwardのChristopher Hallを中心としたオルタナティブロック/インダストリアルロックバンドの3rdアルバム(2015年)。

 

 この手の音楽では大手のMetropolis Recordsに移籍し約4年ぶりとなった作品。基本的には前作の延長というか、前作で取り入れたエレクトロニック要素を強化して再提示してきた、みたいな印象。と言っても、1作目がそういった要素をほぼ感じさせずギターを前面に出した勢いのあるハードロック気味のサウンドで、2作目はその路線を維持したままエレクトロニック要素を足した、みたいなイメージだったんだけど、今作ではただ単に比重を更に高めたというわけではなく、シンセや打ち込みなどを前提とした楽曲の構築を図り、感情を込めたような演奏に一歩引いた曲調や演出なども駆使して、お得意のデカダンな空気感をじっくりと打ち出す方向へシフト。楽曲によってはStabbing Westwardへの回帰っぽくもあるんだけど、こちらの方が全体的にスタイリッシュだし、そう長くない各曲の導入部やラス付近など僅かな隙間にフックを残そうとする鮮烈なフレージングなども上手くハマっており、彼らの一番の魅力とも言える哀愁の歌メロがややワンパターンではあるものの、全体像を楽しみつつサクっと聴き終えられます。ちなみに本作以降に構想していた方向性は、本作の1年後に再結成を果たしたStabbing Westwardに受け継がれたそうで、The Dreamingとしての活動は終了した模様。そういう点でも、Stabbing~の復活への助走のような一作だったと言えるのかも。まぁそういうのもいいんじゃないですかね。

 

 

 前作と、Stabbing Westward再結成後の最初の音源となるEPの紹介記事はこちら。EPの記事には、Stabbing Westwardの過去4作品の紹介記事へのリンクもありますので、よろしければ合わせてご覧下さい。