The Dreaming / Puppet

Puppet

Puppet

  • アーティスト: The Dreaming
  • 発売日: 2011/11/01
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

 元Stabbing WestwardのChristopher Hallを中心としたロックバンドの2ndアルバム。

 

 結成から最初のフルアルバムまでは約7年もかかった計算だけど(なんせ前身バンドのStabbing Westwardの解散前から始動しているようなので)、2作目は1作目から約2年半ぶりと、割と順当な間隔でのリリース。その間にベーシストの入れ替わりがあったようだけど、むしろそこじゃない部分が大きく変化。勢い重視のギターロックという基本的なラインはそのままだけど、唯一決定的に違うのが前作ではほとんど皆無だったストリングスやシンセなどとエレクトリックな要素の追加で、導入部やギターリフの後ろなどで味つけ程度に薄っすらと鳴らすばかりでなく、前奏やサビに大きく組み込まれ全体を彩ったり、内部に取り込んでグルーヴのベクトルを変えたりとあちこちで耳につく重用っぷり。1作目がそういったものを明らかに排除し、ザクザクとしたギターリフと勢いでとにかく突っ走る音楽だったので、この新バンドでは脱インダストリアルロックというかそういう方向性なんだと一旦認識していただけに「あ、封印したわけではなかったのね」と意識が引き戻される思い。1作目のみあえてそういう(シンセに頼らない)チャレンジがあったということなのか、それとも試行錯誤なのか。こういう方向性は嫌いではないし、実際彼らの過度なまでの感情的な歌メロ放出ロックを更にドラマチックにもしているけど、一方で勢いが削がれたことで単調さも浮き彫りになり、曲単位ならまだしもトータルだと物足りなさを僅かに感じなくもない。前作比だと足し算的な発想の内容の筈なのに。

 

 

 1作目の紹介記事はこちら。よろしければ合わせてご覧ください。