MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

The Dreaming / Puppet

Puppet

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  • アーティスト:Dreaming
  • Epochal Artists Rec.
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 元Stabbing WestwardのChristopher Hallを中心としたオルタナティブロック/インダストリアルロックバンドの2ndアルバム(2011年)。

 

 結成から最初のフルアルバムまでは約7年もかかった計算だけど(なんせ前身バンドのStabbing Westwardの解散前から始動しているようなので)、2作目である本作は1作目から約2年半ぶりと割と順当な間隔。その間にベーシストの入れ替わりがあったようだけど、むしろそこじゃない部分が大きく変化。勢い重視のギターロックという基本線はそのままだけど、唯一決定的に違うのが前作ではほとんど皆無だったストリングスやシンセなどエレクトリックな要素の追加で、導入部やギターリフの後ろなどで味つけ程度に薄っすらと鳴るばかりでなく、前奏やサビに大きく組み込まれ全体を彩ったり、内部に取り込んでグルーヴのベクトルを変えたりとあちこちで耳につく重用っぷり。1作目は明らかにそういったものを排除し、ザクザクとしたギターリフと勢いでとにかく突っ走る音楽だったので、この新バンドでは脱エレクトロニックというかそういう方向性なんだと一旦認識していただけに「あ、封印したわけではなかったのね」と意識が引き戻される思い。もしくは試行錯誤中なのか。こういう方向性は嫌いではないし、実際彼らの過度なまでの感情的な歌メロを放出するスタイルを更にドラマチックにもしているけど、一方で勢いが削がれたことで単調さも浮き彫りになり、曲単位ならまだしもトータルだと物足りなさを僅かに感じなくもない。前作比だと足し算的な発想の内容の筈なのに。

 

 

 1作目の紹介記事はこちら。よろしければ合わせてご覧ください。