MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Filter 『Anthems For The Damned』

Anthems for the Damned

Anthems for the Damned

  • アーティスト:Filter
  • Pulse Recording
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 アメリカ・オハイオ出身のオルタナティブロック/インダストリアルロックバンドの4thアルバム(2008年)。

 

 実に6年ぶりとなったアルバム。前作以降、割と早い段階から制作には着手していたものの、Richard PatrickがThe Damning Wellというスーパーグループでの活動(ごく短命に終わった)やArmy Of Anyoneという新バンドの結成(アルバム一枚で終了)など課外活動に勤しんだ時期を挟んだため、結果これだけの期間が空いた模様。そんな本作は、The Damning Wellのメンバー━━つまり、(元)Limp BizkitのWes BorlandNine Inch NailsA Perfect Circleなどに参加したJosh Freeseらが一部で協力しており、更には結局アルバム制作まで至らなかったThe Damning Wellの構想も一部取り入れているというお話。ただ、そういった外的要因や課外活動の成果が目に見えて分かる形で表出はしておらず、FilterはFilterという割り切りやこだわりを感じさせるポストグランジを通過したオルタナティブロックを邁進。時代的にはNIN以降のインダストリアルロックバンドの淘汰や迷走も珍しくないところを、足元を見失わず信頼に足る音を奏でていると思います。ただ全体的に壮大感やメロウネスに振った楽曲が多く、この曲は前の曲の姉妹曲か?とか感じたりもして、中盤くらいで既視感がきちゃう。一曲一曲は間違いなく粒ぞろいなんだけど、全体で捉えると平坦というもどかしさ。その分「What's Next」など珍しくアグレッシブな楽曲はめちゃくちゃ映えるけど。そもそもRichard Patrickがアルコールや薬物への依存を克服し、一人の若きファンのイラク戦争での戦没に強く影響を受けたことから、歌詞のテーマがより社会/反戦的なものへ向かったらしく、あえてサウンドもそこに合わせにいった結果なのかも?本人的には“ヘヴィなU2”を目指したらしいけど…聴く人はどう判断するのか。その目論みは置いておくとしても、決して悪い作品ではないと思いますけども。