US/オハイオ出身のオルタナティブロック/インダストリアルロックバンドの5thアルバム(2010年)。
前作より約2年ぶりと、ここまでで最短のスパンでのリリースとなった本作。バンドメンバーやプロデューサーが一新されており、1stアルバム以来袂を分かっていた結成時の相方・Brian Liesegangもクレジットされています。前作が比較的ゆったりとした曲調や歌にフォーカスした楽曲が多かったのはプロデューサーの影響もあったとのことだったけど、本作では新体制の効果か、はたまた前作との間にリミックスアルバムを挟みルーツを再確認した成果もあるのか、予告されていた通りにヘヴィなサウンドやインダストリアルロック要素への接近を図ったような内容に。厚みを帯びた重厚なリフを主体とし、バンドの一体感をガツンと届けようとする楽曲が連発される様は新鮮で、それも2~3作目の頃のポストグランジなスタイルが1周回って逞しくなって帰って来たような頼もしさ。一方でFilterのアイデンティティとも言えるRichard Patrickの歌力に対しても抜かりはなく、メロディアスな歌やシャウトを存分に炸裂させ、広いステージにも対応できそうな王道感を放っています。2~3作目はDevin Townsendっぽさを感じたけど、今作はなんかLinkin Park『Minutes To Midnight』をちょっと思い出したよ。まぁ言うほどインダストリアル/エレクトロ感は濃くないんだけど、一つのアプローチに固執しない姿勢に加え、最後まで飽きさせない構成もあって実に総合力の高い作品だと思います。US盤のボーナスディスクにはKMFDM風リミックスに続いて彼らの十八番とも言えるメロウなバラードが連続で収録。こうやって分けられたのは英断だと思うし、映画に提供された本編ラスト曲とオーラスのアンビエントバラード曲(どちらも名曲!)とで2段階で大団円を迎えるのも展開の妙というか、ズルいというか(笑)、結果としてめちゃくちゃ良い。
