ロンドン出身のRaymond Wattsによるインダストリアルプロジェクトの2ndアルバム(1991年)。
何はなくとも1曲目「My Sanctuary」の格好よさ!オーケストラを巧みに使用した曲展開の妙、メタルギターを部分的に強調することで格段に増した迫力と緊張感など、とにかく演出が鳥肌もの。それでいて、メロディというメロディもないのに凄くキャッチーで一瞬で耳を奪われるインパクトも大。彼の代表曲であり、まさにオーケストラとインダストリアルロックを結びつけた名曲。後にリミックスやSCHWEINでのセルフカバーなどパワーアップしたバージョンも出てくるけど、この原曲も決して後発ver.に見劣りしない魅力があります。その他にも全体的にしっかりとオーケストラサウンドとの融合が図られスケールアップしているし、低く唸るような歌い方の強化、ジャズ/ファンクやラテン、ビッグバンドなどまたがるジャンルを広げミックスしていく独自のセンスの進化などもあり、オリジナリティと完成度を更に押し広げることに成功しています。そういった風通しの良さと同時に、自身がかつてエンジニアを務めたEinstürzende Neubautenをリスペクトするかのようなメタルパーカッションの挿入など、前衛とポップのバランスにも気が配られているのもさすが。エレクトロ/インダストリアルロック色に重きを置く人にとっては後の作品の方がより聴きやすいと思うけど、彼のコアなファンは本作を最高傑作に挙げる人も割といるような話も聞くし、それも頷ける素晴らしい内容。
