MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Die Krupps / Volle Kraft Voraus!

Volle Kraft Voraus

Volle Kraft Voraus

 

 ドイツ出身の大御所インダストリアルバンドの2ndアルバム(1982年)。

 

 泣く子も黙るインダストリアルメタルバンドへと変貌を遂げていく彼らの初期作品。Neue Deutsche Welle(ノイエ・ドイチェ・ヴェレ)と呼ばれたムーブメントの一端を担ったとされるパンクでニューウェイブなアルバムです。DAF譲りのシンセ/シンセベースに加え、食器や鍋を並べてキンキン、カラカラと順番に慣らしているような、あまりにも特徴的なメタルパーカッションの音が鳴り響き、ボーカルのJürgen Englerはハイテンションを通り越して変態チックに暴走。そして常に「アーゥ!」とか叫んでます。奇人変人の域。チープさも含めて若さが大変に眩しいんですが、時折マニアックに暴走する瞬間はインダストリアルなパワーを感じるし(特にメタルパーカッションの多重で複雑な打ち鳴らしが何となくEinstürzende Neubautenを彷彿とさせる)、タイトルチューンや「Goldfinger」を筆頭とした楽曲も実は結構味があって癖になります。メタル方面のリスナーには慣れが必要だけど、エレクトロニック+メタルパーカッションなサウンドの傑作盤だと思います。一度は聴いておきたい。