MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Gravity Kills 『Gravity Kills』

Gravity Kills

Gravity Kills

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 US/ミズーリ出身のインダストリアルロックバンドの1stアルバム(1996年)。

 

 当時のインダストリアルロックブームの中で、ポストNine Inch Nailsを最も期待されたバンドの一つとされていたようです。同時期に同じアメリカ内で頭角を現したFilterやStabbing Westwardなども一部でそういった括られ方をしたり、比較対象になったりしたようだけど、それらバンドの中で彼らは最も聴きやすいというか、ポップな聴き心地を優先的に追求しているような節があります。Nine Inch Nailsのフォロワーであることは間違いなく、特にやや内向きなスローナンバーの空気感はかなり意識してそう。そしてヒットシングル曲「Guilty」を始めとしたアッパーな曲は、基本的に4つ打ちをベースとし、そこにギターノイズを絡め分かりやすいロック感とダンサブルなノリで突き進む形で、KMFDMにも少し似てるかな。インダストリアルロックの難解さや取っつきにくさを排除し、耳馴染みの良いところだけを抽出して繋ぎ合わせたような、言ってみれば後発の利点を大きく活かした音作りがまさに「ポストNIN」的なものの代表例とされた所以なのかも。そしてその目論見も成功したのか、本作から多くの楽曲が映画やゲームなどで使用されるなど露出や注目度も高く、アルバムもそれなりのヒットを記録したようです。反面、バンドとしては早くもここがピークになってしまったことや、スローな曲と4つ打ちの曲で大きく二分される構成がどうしても散漫に感じてしまう点は残念だけど、この手のジャンルのそつのない優等生的な佳作、あるいは入門的なものとして悪くない一作かなと。中でも「Enough」は突出して良くできた楽曲。めちゃくちゃ格好いい!