MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Gravity Kills 『Perversion』

Perversion

Perversion

Amazon

 US/ミズーリ出身のインダストリアルロックバンドの2ndアルバム(1998年)。

 

 リミックスアルバムを挟み約2年ぶりとなった2作目。その間にSex Pistolsのツアーの前座を務めるなどし、ヨーロッパでも少しずつ名を知らしめていったのだとか。今作ではプロデューサーがSwansなどで活動するRoli Mosimannに交代。しかし基本的な方向性は大きく変わることなく、ポストNine Inch Nailsの座を狙いすますようなキャッチーなインダストリアルロックを続投。ただよくよく聴いてみると、ヘヴィだったギターの音がエレクトリックな歪み重視になったり、またアッパーな曲も4つ打ちにこだわらないリズムアレンジを取り入れたりと、特徴的とも言えたスタイルを軟化させながら全体のまとまりを優先したような感触が見られます。その中でも「Wanted」はニューメタル、「Disintegrate」はドラムンベースといった要素を取り入れたり、ラスト曲「Belief (To Rust)」はギターアルペジオを押し出したバラードだったりと、新たな挑戦にも意欲的。バンドの軸をぶらすことなく僅かながらも確かな変化を形にした…と言えそうな作品だけど、肝心の楽曲がちょっと弱いかな。前作で言う「Guilty」「Enough」のような一撃で心を掴むような楽曲がなく、結果として彼らの良さでもある「癖の少なさ」「優等生的な聴きやすさ」が裏返って「地味」「物足りない」という弱点に成り代わってしまったような。ただ前作に近いくらい売れたり、いくつかのゲーム作品に使用されたりときちんと結果も出ているようだし、全体的な雰囲気は決して悪くはないです。ガチガチのインダストリアルロックというよりは、後期Pitchshifter、あるいはJesus Jonesのようなデジタル/ダンスロックなどが好きな人と相性がよいかも。