MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

16volt 『LetDownCrush』

Letdowncrush

Letdowncrush

  • アーティスト:16 Volt
  • Reconstriction
Amazon

 アメリカ・オレゴン出身のEric Powellを中心としたインダストリアルロックバンドの3rdアルバム(1996年)。

 

 またここでサウンドのフォルムが少し変わり、今度は全体的に(メタル化以降の)Ministryをマイルドに、そしてポップにしたようなインダストリアルメタルになっています。前作よりもはっきりとメタルに寄せたスラッシーなギターが炸裂し、そんなギターリフが乗るリズムトラックはかなりシンプルかつ爽快にかっ飛ばす。わかりやす!また、それらがダンサブルに反復するパートは、4つ打ちに積極的だったGravity KillsやKMFDMにも通じるところがあるし、内省的なスローナンバーはやはりNine Inch Nailsを思わせる雰囲気もある…とまぁ、結局はSkinny Puppyのあからさまな影響がなくなった代わりに、同時代的なインダストリアルロックバンドの要素を広く吸収して形にしている、という印象があるのだけど、しかし全体の勢いは格段に増しており、オリジナリティの確立云々ではないところで、16voltというバンドの得意な領域や目指すべき方向性をようやく手にした、そんなエネルギーを大いに感じ取れます。ひと口に(NIN以降の90年代の)インダストリアルロックと言っても色々なタイプがあり、好みも人それぞれだろうけど、その表層的な部分を端的に集約したという意味では、本作は一つのメルクマールと言えるかも。事実、本作は彼らの中でも重要作や人気作として数えられることも多い模様。もちろん、聴く人によっては商業的な狙いが強すぎるといった敬遠材料になる可能性はあるけど、それだけでは捨て置けない内容だとも思います。