Vampire Rodents / Lullaby Land

Lullaby Land

Lullaby Land

 

 US出身の実験音楽/サウンドコラージュユニットの3rdアルバム(1993年)。

 

 前作が好評でインダストリアル系のレーベル・Re-Constriction Recordsに見い出され、そこからリリースされた3作目。彼らの作品の中でも傑作の部類だという話です。まず気づくのは、コラージュ/サンプリングにまみれ混沌としていたサウンドから憑き物が落ちたかのようにシンプルになっていること。前作に続き専用プレイヤーのチェロ/バイオリンを有効的に使いつつ、ギターにも重点を置かれ、ガリガリと乾いたエレキギターが常時どこかで鳴っているようなスタイルになり、それぞれの楽器の鳴りがくっきりしていて比較的アンサンブルが分かりやすくなっている印象を受けます。ただしホラーっぽさは変わらず折り重なりもあくまでも複雑だし、何の前兆もなく急にスパッとテンポチェンジしたり場面転換したり、時には全く異なるタイプの曲調に繋がっては戻ったりと、横の展開(?)の目まぐるしさが強化。何となしに聴いていると「ん?いま曲変わったのかな?」と頭がこんがらがることも。サウンドのみならず曲展開すらもコラージュ多用とあって、初めて(1stアルバムと勘違いして)聴いたときは頭の上に「?」が浮かぶだけでした。でも改めて過去作から順番に聴いてみると、彼らのクラシック/前衛音楽などのルーツや、BabylandやChemlabのメンバーとのコラボ、ジャズ/民族音楽などにまで手を広げたコラージュセンスがここで実を結び、彼らなりの傑作たらしめているという評価にも合点が。この一歩間違えばグチャグチャなのに成り立っている不思議さ、「そういう音楽」と捻じ伏せる存在感は、体験する価値があったと個人的には思っています。