オーストラリア出身のJG Thirlwellによるアヴァンギャルド/インダストリアルプロジェクトの4thアルバム(1985年)。
日本語がドーンと縦断する驚きのジャケット。どうやら彼は親日家らしく、今後もアートワークにこういった日本語がよく顔を出すようになります。そんな本作は、当時リリースごとに微妙に使い分けていたアーティストの名義が前作と同じ…だからという訳でもないだろうけど、前作『Hole』同様にインダストリアルともニューウェイブともつかない──あるいは混在した──アイデアやバックボーンを本能的に放出するサウンドが圧巻。大きく違う点としては、彼の音楽的な主要素の一つとなるクラシックの要素が大幅に導入されたことによって、ノイズ/ジャンクなサウンドにオーケストレーションが乗っかるというスタイルが逆説的に暴力的ですらあったり、「Pigdom Come」という架空の王国をテーマにし、インスト楽曲を含めた構造、同一の戦慄的なフレーズを用いるコンセプチュアルな演出など映画音楽的な持ち味も昇華されています。また、本作中でとあるクラシック組曲のフレーズが挿入される箇所があり、それを後々PIG (Raymond Watts)がオマージュで再現したことも界隈ではお馴染み。そういったサウンド面や「釘」「豚」などのワード/スラング等、後のインダストリアルロック世代へ与えた影響の大きさが特に汲み取れる一枚でもあり、名作と名高い前作『Hole』と双璧をなす傑作とされるのも頷けます。
