MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Numb / Death On The Installment Plan

Death on the Installment Plan

Death on the Installment Plan

 

 カナダ出身のエレクトロインダストリアル/EBMユニットの3rdアルバム。

 

 もともと彼らが持っていた強烈なノイズを絡めたEBMとしての特質的な個性が研ぎ澄まされ、楽曲の完成度が格段に向上。楽曲単位でもアルバム全体の流れとしても緩急の付け方/見せ方がより鮮烈になり、先の読めない曲展開で聴き手の興味を引き寄せながら、大胆なノイズ/サンプリングが幾重にも応酬する作品の奥深くへ引きずり込んでいきます。ノイズの使い方も電気加工され、インダストリアル然とした独特の心地悪さを纏っていて、ダークアンビエント的な表現も荒廃/暴力的なパワーに溢れていて聴き惚れてしまいます。最初に聴いたときの第一印象は「まるで騙し絵を見ているよう」でした。それくらい異形で狂気的。Skinny Puppyの影響を多分に感じさせつつ、Nitzer Ebbのビート感やMinistryにも通じるパワーすら感じさせる面もありながら、それが決して凡庸なフォロワーとしてではなく、とても鋭く磨き抜かれた一つの個性として存在することが驚嘆の一言。彼らがどれくらいの評価や知名度を得ているかはよく知らないけど、この作品は90年代インダストリアルの名盤に数えられてもおかしくない傑作だと思います。