MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

101A "unknown"

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 3人組ポストロック/シューゲイザーバンドの6曲入りCD(2008年)。

 

 彼らが6曲入り──というかフルサイズではない作品をリリースするのは2作目だけど(とはいえ1作目は「Before 1st」という位置づけのものだけど)、本作は「シングルでもミニアルバムでもない "not album" 」と公式に解説された、これまたやや特殊な性質の作品のようです。その内容は新曲2曲+カバー1曲+インスト1曲+(初の)リミックス同2曲という、タイプの異なる楽曲のひしめく小品で、前作で晴れて3人体制(完成形)での再出発を遂げた次の一手として、特定のコンセプトを定めずに曲を寄せ集め形にしたものと言えそう。儚くも鋭い、期待を裏切らないポストロック新曲や、悍ましさすら感じさせる原型を留めないPortisheadのカバー「glory box」、ノイズインダストリアルなインスト「ZOAZOA」、インダストリアル系アーティスト/エンジニア・Luke Chaosが手掛けた「come down」のヘヴィなリミックス(特に "Unknown Fire mix" と題された方は激重のインダストリアルダブで痺れる!)と、バンドの特異点や魅力を複数の側面から端的に伝えることに成功している一枚。案外入門用にも良さそうだけど、彼らの作品は基本的に入手困難なのでお勧めはしづらい。しかし本作の象徴的な1曲目「0 [rei]」は後のベスト盤に収録され、また2020年からは配信でも聴けるようになりました。