BLAM HONEY / Providence of Decadence

  「インダストリアルジェンダーユニット」を自称する2人組ヴィジュアル系インダストリアルユニットの企画盤。

  

 前作リリース後に長らく活動休止状態にあった彼ら。2008年には「活動再開」と「ボーカリスト・Tatsuyaが2004年に病気で逝去していた事実」が併せて発表されました。今作は、そんなTatsuyaへの追悼盤という形で制作された2CD+1DVDの3枚組作品。Disc 1は未発表曲集ということだけど、未発表曲と言っても次なる音源の制作過程にでもあったのか、順当にこなれているものが並びます。昔からダークエレクトロとインダストリアルロックの折衷みたいな方向性ではあったけど、ボーカルの打ち出し方やノイズの絡め方なんかに甘さの見られた部分が経年ごとになくなっていき、今回はエレクトロビートの強化やノイズギターの程よい存在感等上手いこと調整されており、かつ良くも悪くも強烈な個性もそこまでトレードオフにならず、時折挟まれるインスト曲の見せ方も追いついた感じで、トータルで一つの水準を超えてきたという感じ。Disc 2はゴス/インダストリアル界隈のアーティストが多数参加したカバー&リミックス集。唯一のお目当てのharshrealm以外はぶっちゃけ全然知らん人たちばかりなのですが、これが思いの外良かったというか、原曲の雰囲気を壊さず、でも曲としては割と大胆にリアレンジという良い塩梅のトラックのオンパレード。ハーシュEBM、インダストリアルテクノ、トランスなど個性的で楽しめました。Tatsuyaだけでなく、もう一人のメンバー・Ryonaiも大病を患った時期があったり、この後に新ボーカリストを迎えるもすぐ脱退、以降現在に至るまで沈黙と何かと波乱続きのユニットだったようだけど、もっと思い通りの活動ができていれば、日本のゴス/インダストリアルシーンにもっと大きな爪痕を残せていたのかもと思います。