Front Line Assemblyでも活躍した音楽プロデューサー・Chris Petersonを中心としたインダストリアルユニットの2ndアルバム。
元々はツアーメンバーで、1997年からは制作にも携わったFront Line Assemblyを(一時的に)離脱した時期に制作されたアルバム。自身以外の制作メンバーも前作とは入れ替わっている模様。音楽的には基本的に前作を踏襲したもので、強烈なノイズやノイズギター、怒号や呟きのようなボーカルを激しいリズムトラックが蹂躙していくという刺激的かつ攻撃的なインダストリアル。狂気的にアンビエントを放出するパートも健在ながら、ノイズアンビエントな方向性だった前作とは変わりジャケットから連想できるような(?)ダークアンビエントに舵を切っており、静寂の中に地鳴りのような轟音が響き渡り世界が闇に呑まれるような不気味さ、ひいては退廃的な世界観を強化しています。これはこれで良いのだけど、ブレイクビーツを走らせたりしてガリガリと進むパートときっちり線引きされた構成はいささかウェルメイドな印象もあり、音楽的に近そうな初期Numbなんかと比べると、どこか頭の良い人が計算して作り上げたような小奇麗さを感じる部分も。 個人的にはこの音の迫力だけでもかなり楽しめるんだけど、前作の方が凄かったのも確かだし、筋金入り(?)のインダストリアルリスナーには意外と物足りないかも。
前作の紹介記事はこちら。よろしければ合わせてご覧ください。