BUCK-TICK / ONE LIFE, ONE DEATH

ONE LIFE、ONE DEATH

ONE LIFE、ONE DEATH

 

 5人組ロックバンドの11thアルバム。

 

 再度レコード会社の移籍などもあり、オリジナルアルバムとしてはおよそ2年10ヶ月ぶりとなった作品。前作にあたる「SEXY STREAM LINER」前後のかなり冒険したアプローチの反動か、今作では再びポップさを大きく取り戻しています。しかしこの頃追いかけていたテーマの1つだったであろうデジタルとの融合やテクノ/インダストリアルサウンドの血肉化という命題はそのまま推し進められ、それらをうまく消化することでバンドサウンドが一段と進化し独自の退廃的な世界を形成。楽曲もトランス気味の曲、今井寿のボーカルがより表に出たアバンギャルドな曲、美しい世界を描くバラードといった様々なラインナップで、どこを聴いても実験的/挑戦的な要素とポップさの調和が相変わらず抜群のバランスで成り立っています。お陰で非常に濃密な仕上がりで、全10曲のボリュームでも「物足りない」よりも「無駄がない」と思えてしまう。もはや風格を感じさせる程の出来だけど、まだまだバンドの限界はこんなものではないという余裕すらも感じられ、まさに2000年代のスタートを切るに相応しい傑作と言えます。個人的にも大のお気に入り、というか彼らの作品群の中で1、2を争うくらい好きです。