- アーティスト: BUCK-TICK,櫻井敦司,今井寿,横山和俊
- 出版社/メーカー: BMG JAPAN
- 発売日: 2002/03/06
- メディア: CD
- クリック: 11回
- この商品を含むブログ (24件) を見る
5人組ロックバンドの12thアルバム。
デジタル志向の強かったここ数作品の流れから一転、一気に生音重視に偏っています。元々はタイプの異なる楽曲も候補曲として存在していたらしいけど、別のアルバムと振り分けることになり方向性が明確にまとまったことで、この当時としては異色とも思えたこの作風に繋がったと言えそう。ちなみにその別のアルバムというのは次回作となる「Mona Lisa OVERDRIVE」で、その名残でそれぞれのアルバムの1曲目と最終曲が繋がっているという仕掛けも施されています。双子盤の1作目、という感じかな。そんな本作では久々にバンドサウンドでグっとくる王道な曲、突き抜けるようなストレートなロックナンバーも収録する一方で、穏やかなミディアムナンバーの存在感もそれ以上に強く、一貫しているのは前向きなメッセージ性やアルバムタイトルからも想像できる"愛"を用いたテーマ。リリースの約半年前に起こったアメリカ同時多発テロの影響もあるのだろうけど、アコースティックなサウンドが多用される音像の中では非常にマッチし強く優しく響きます。しかしその上には彼ららしいノイズエフェクトも散りばめられていて、やはり一筋縄ではいかない聴き心地が残るのは流石といったところ。噛めば噛むほど味が出る一作。