MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

I've / regret

regret

regret

 

 北海道に拠点を置き、アニメ/ゲーム系の楽曲を中心に制作するクリエイターチーム「I've」によるGIRLS COMPILATION(美少女ゲーム等に使用された楽曲を収録した編集盤)シリーズの記念すべき第1弾となったアルバム(1999年)。

 

 2000年代を駆け抜け、後のシーンのトップブランドとなったI'veだけど、当時は今ほどの知名度もなく、謎の音楽制作集団として水面下で噂になっていました。その頃の作品ともあって、現在のイメージとは重ならない部分も多いです。KOTOKO川田まみといった代表的な歌手の参加前であり、一時的な在籍歌手やゲスト歌手が中心になって構成されていることがまず大きな要因だし、明るく屈託のない可憐な楽曲が多くを占めるのでグラデーションにも欠け、曖昧な表現だけど90年代臭も強い。個人的には、当時の空気感や思い入れあってこその一枚。でも、後にリアレンジされ再び日の目を見る曲も多いことから、原石のような輝きはしっかり刻まれています。中でもI'veの存在をコアユーザーに浸透させるきっかけとなった有名アニメ/ゲーム作品「Kanon」のOPテーマ「Last regrets」は(作曲はKey名義だけど)場の空気を一変させるほどの存在感を放つ名曲に仕上がっており、高瀬一矢の巧みな手腕が伺えます。あまりにも鉄板の出来で逆にアルバムから浮いてる気も(笑)。またラストにはトランスリミックスとなって収録されており二度美味しい。それから、全ての始まりの曲である「FUCK ME」はファンなら聴き逃せない!なんだかんだで、I'veの原点が確実に刻まれているアルバム。伝説はここから始まった。