MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Marilyn Manson 『Smells Like Children』

Smells Like Children

Smells Like Children

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 US/フロリダ出身のインダストリアルロック/オルタナティブメタルバンドのEP(1995年)。

 

 1stアルバムより1年3カ月ぶりにリリースされたEP。EPと言っても全16曲54分にも上るサイズで、もともとは3rdシングル(に収録するリミックス曲)を制作する予定がアイデアが膨らみ、複数のリミックス曲やカバー曲をこれまた複数のインタールードで繋いでいくという、本線とは異なる自由度の高い形態となったようです。そこには前作同様Nine Inch NailsのTrent Reznorだけではなく、そのキーボーディスト・Charlie ClouserやSkinny PuppyのDave Ogilvieといった錚々たる面々の助力もあったのだとか。全体的には音の質感や迫力が順当に強化され、Marilyn Mansonから滲み出る毒々しさや道化のような佇まいがより鮮明に。歪みや金属音の激しさをより表に出し、電子音による演出をより効果的に忍ばせ別物レベルに楽曲を塗り替えたり、バンドを商業的に押し上げた最初のきっかけとされるEurythmics「Sweet Dreams」然り、既に広く知られた名曲を素材に自らの世界で侵食することで、却ってバンドの音楽性の先鋭化に繋がったり、また悪としての存在感やイメージ戦略にも上手く寄与したのではないかと。とはいえ、全16曲のうち半分はサンプリングやMCを中心としたインタールードなので、通して聴くという行為が非常にやりにくい。ただ、じゃあそれらを省いた楽曲だけをギュッと詰め込んだコンパクトなEPだったとして、それがこの作品としてのコンセプトまで含め正解だったのかと言われると…後追いの上に英語も理解できずそこまでコアなファンでもない人間には分かりません。それでも、本格的なブレイクに至る次作“以前”のMarilyn Mansonの野心作として、またNINの関与したインダストリアルロックの作品として、聴いて損のない一作ではないかと。

 

 

 今回の記事に合わせ、過去に書いたMarilyn Mansonの1stアルバム・2ndアルバムの紹介記事の文章を少々見直しているので、よろしければ合わせてご覧ください。というか書いたのが昔すぎたので(18年前…!)ほぼ書き直しています。

 彼の2nd~4thアルバムの3作は三部作という扱いになっていますが、1st・EP・2ndの3作も「Trent Reznorプロデュースによる三部作」と言えるし、インダストリアルロック史的にも見過ごせない傑作群だと思います。