MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

BUCK-TICK 『darker than darkness -style 93-』

 群馬出身のロックバンドの7thアルバム(1993年)。

 

 『殺シノ調ベ~』からは1年3ヵ月、『狂った太陽』からは2年4ヵ月ぶりのアルバム。そして、バンドにとって大きな収穫となったそれら2作とはまた違った方向性を追求しており、テクノ/エレクトロニックへ接近したサイバーな質感は一旦封印され、当時のグランジ/オルタナティブロックの潮流を反映したようなドッシリと重たく薄汚れたようなサウンドが全体を貫いています。特にリズム隊の強化が目を引き、タフなドラム回しやバキバキのベースがガッチリと下支えし、時には主役級に躍り出ながら楽曲を引っ張るし、そのお陰で今井寿のギターも今まで以上に役割を固定せず奔放に駆け巡り、星野英彦も初めてキーボードを演奏するなどバンドに新しい広がりももたらします。そんな中で1曲目「キラメキの中で…」のもったりとしたダブ/レゲエのオープニング、古ぼけたレコードノイズを纏うジャジーな「誘惑」、ラップやヒップホップのテイストを今井ワールドに落とし込んだ変化球「Madman Blues -ミナシ児ノ憂鬱-」を始め挑発的かつ果敢なアプローチを見せていくなど、音も楽曲も新しい刺激に溢れ非常に聴き応えあり。反面、それまでの既存リスナーを大きくふるいにかけるような内容でもあるけど、チャート2位&好セールスを記録していることからもしっかりと好結果を出したのが凄い。そして何と言っても最終曲「die」におけるアコギとノイズギターの対比によって生み出される混沌と安寧、それが93トラック目に隠された「D・T・D」へと繋がっていく演出は何度聴いても鳥肌もの。さらにヘヴィさに拍車をかけていく次作『Six/Nine』にも全く劣らない圧巻の一枚。