MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

BUCK-TICK / SEXUAL×××××!

 5人組ロックバンドの2ndアルバム(1987年)。

 

 "非難GO-GO" 改め "BUCK-TICK"、記念すべきメジャー1作目。メンバーチェンジも長期の休止もせず、今現在まで現役を貫き音楽業界の第一線を走り続ける重鎮となった彼らの第一歩とも言える本作。しかし全員で髪を逆立てこちらを睨みつけるジャケット写真からは想像もつかない程にポップで、そのギャップを知らずに後追いで聴くと驚きが勝りそう。正真正銘の1作目である前インディーズ作「HURRY UP MODE」から7ヵ月という短スパンということもあってか、基本線は同様のBOØWY直系・80年代ビートロック。しかし既に得ていた一定の人気にあぐらをかくことなく、自分たちの意思を通す慎重な姿勢でデビューに至ったエピソードが証明するように、恋愛や性愛をテーマに据えたという統一的な詞作表現や、後年での頻繁なライブ演奏・音源での再録など後のファンにも馴染みのある楽曲もチラホラ見られる通り、実は明らかなパワーアップを感じさせる出来。アイドルポップのような甘さもあればシンプルなバラードもあったりと、各曲幾分かのキャラ立ちがそのまま本作の振り幅と後の成長への片鱗を見せ、決して若さや青さだけではない魅力や、変わりゆく音楽性の中に恒久的に存在するBUCK-TICKらしさが既に萌芽していることが伺えます。人も時代もバンドも変わり続けるものだし、別にバンド初期の楽曲をずっと演奏し続けることが何よりの美徳とも限らないとは思うけど、彼らの場合は伝説級のバンド活動歴と合わせ、その辺りのセンスや折り合いがもう別格なんですよね。