MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

BUCK-TICK / HURRY UP MODE (1990 MIX)

 5人組ロックバンドの1stアルバムのリミックス盤(1990年)。

 

 1987年に唯一インディーズからリリースされた1stアルバム「HURRY UP MODE」をリミックスした復刻作品。制作の意図として、ギタリスト・今井寿の逮捕による活動休止からの復活に合わせ、初心に帰る意思を込め当時の最新作「悪の華」と同時期に発売。また1stがプレミア化しており再発の要望が強かったという内情もあるとか。一応内容は低音域のレベルを上げる程度のリミックスが全体に施されているらしいけど、まぁ時代的なものもあってか、その若々しさや初々しさはそのまんま。髪の毛をメンバー全員で逆立て、黒い服をまとった鋭い眼光という出で立ちは後のヴィジュアル系に影響を与えたとして有名だけど、音楽性としては同郷のBOØWYの影響下にあるビートロック色が強く、その見た目に反して更にポップでストレート。詳しくはないけど、80年代のバンドブームど真ん中っていうイメージで、その上でボーカルも若く音も細く、アルバムの構成としても押し引きの "引き" が感じられず、ひたすらに突き抜けていく様はいっそ爽快ですらあります。彼らは割と初期から話題を集め人気も高かったらしいけど、一部では見た目の派手さだけだと否定的に見る向きもあったとかで、後追いで触れると色んな意味で驚いてしまうこと請け合い。しかしニューウェイブを通過した今井寿の作曲/ギタープレイは既に光るものがあり、後年のライブでもよく演奏される「FLY HIGH」や「殺シノ調ベ」で再録された「MOON LIGHT」など惹かれる曲も。またファンならばボーカリスト櫻井敦司がバンドの歴史で唯一作曲した「PLASTIC SYNDROME TYPE II」も聴き逃せない。

 

 

 突然のBUCK-TICKの最初期のアルバム紹介記事になりました。個人的に最近よく聴き返していたのですが、その時にこの作品だけ紹介記事抜けてるじゃん!と気づいたので(ええー)穴を埋めるように書いた次第です。同時に、過去に書いたメジャー1作目から上記の記事中にも名前が出た「悪の華」までの紹介記事の文章を少し見直しているので(これもまた書いたのが16年前と鬼古い…!)、よろしければ合わせてご覧ください。