アメリカ・カリフォルニア出身のニューメタル/オルタナティブロックバンドのリミックスアルバム(2002年)。
1stアルバム『Hybrid Theory』から約2年空いて、そのリミックス作がリリース。最終的に特大ヒットを記録するデビュー作がまさに売れまくっていく中ということもあってか、本作もリミックス作品としては規格外のヒットを記録したそうな。内容としてはヒップホップ畑のMCやDJ/プロデューサー、ロック畑のミュージシャンなどを多数招聘し、原曲を素材/下敷きにしながらも新たな解釈を上乗せするという方向性。割合としてはヒップホップの方が多く、再構築されたビートやゲスト含むラップの新録音/追加などが行われ、曲によってはギターのヘヴィネスや歌メロの加工・排除も厭わないという思いきりの良さ。しかしMike Shinodaがしっかりと全体を統率し、名うてのゲストと連携した甲斐もあってかなりクールな出来。エレクトロやアンビエントに踏み込んだアプローチも目を見張り、原曲の繊細な世界観を別口の切れ味でしっかりと表現。しかしロック畑の方もこれまた快作続き。頑張ればEBMに聴こえないこともない(?)リアレンジのJay Gordon (Orgy)、ツインボーカルと荘厳なアンビエント風ロックの切なさがたまらないStephen Richards (Taproot)、あまりにも特徴的な荒涼としたギターが全体を覆う力技のJosh Abraham & Stephen Carpenter (Deftones)、曲の色を重低音×エレクトロで塗り潰し新しいボーカルコンビネーションを魅せたThe Humble Brothers & Jonathan Davis (Korn)と、どれも素晴らしい内容。小品のインストも挟みつつ、最後をAaron Lewis (Staind)の歌が添えられた「Clawring」の壮大なオーケストラ/アンビエントバラードでエンドロールのように締めていくという全体の流れも抜群。なかなか楽しめる作品だと思います。
今回の記事に合わせ、Linkin Parkの1~3作目の紹介記事の文章を少々見直しているので、よろしければ合わせてご覧ください。
