X JAPANのギタリスト・hideのリミックスアルバム(1997年)。
X JAPANの解散発表の直前あたりにリリースされたもので、名うてのテクノ/ハウス界のミュージシャンやヒップホップDJなど7チームが2ndアルバム『PSYENCE』の楽曲をリミックスしています。hideソロはもともとエレクトロバリバリという楽曲はほとんどないにしても、色々なジャンル感を多分に含むバラエティ感に優れているので、本作においてもテンポ感を忠実に、かつhideのボーカルもあまり改変せず使用している楽曲なんかは驚くほど違和感なく別ジャンルの特徴と接続できている印象はあります。特に頭3曲は割と完成度──というか納得感の高い出来映え。ただ全体的には、判を押したようなリミックス具合が散見されるし、完全に原曲を無視したような別物リミックス曲はひたすら空虚という感じで、ちょっと面白みに欠ける面も。なんていうか音ゲーに採用されたver.のBGM集のようである。よく分からん例え。トリビュート盤ではあるけどCornelius「ピンクスパイダー」のようなあっと驚くような改変に出会うのはやはりなかなか難しそう。そんな中でも、原曲の音というより“オルタナティブな”雰囲気をダウナーなヒップホップに落とし込んだ「BACTERIA [Bacteria MIX]」、パンキッシュでラフなサウンドの面影ゼロながらも攻めの姿勢と遊び心が上手く表現されたダブテクノ風?「LASSIE [Jazz Trance Spiritual Ecstasyboys MIX]」は結構良いです。ちなみに本作はX(旧Twitter)にてお勧め頂いたもの。てっきり未聴だと思っていたのだけど探してみると音源が手元にあったので、多分昔1~2度聴いてそれっきりだったのかなと。まぁこういうありがちなクラブリミックス的なアルバムは、よほどの愛好家でもないとなかなかね。
こちらは2002年にリリースされたリミックスアルバム2作目。完全未聴だったけど今回を機に聴いてみました。トランス、ハウス、テクノ、ブレイクビーツといったエレクトロミュージックのフォーマットと融合、というテーマありきの企画ものだったようです。そう言えばなんかその頃ってトランスがちょっとだけ流行っていたような?avex周辺だけかな?リミキサーにはEAT STATICやGMSなどこの手の作品ではよく見かける名前を含め、ハウス/トランス系のアーティストが多数参加。楽曲としては…どうなんだろ?hideの楽曲を素材に、若干の面影を残した本格ブレイクビーツ~トランスといった楽曲が横並びという感じで、正直あんまり楽しめるものではなかったというか。でも「ピンクスパイダー」に関しては、どんなに改変されてもほんの一部を耳にするだけでその曲だと分かる個性の塊っぷりを再確認できました。この曲凄すぎ。テーマから外れちゃうけど、いっそX JAPAN本隊への逆輸入(?)的ヘヴィメタル風だとか、リミックスという場を利用した超マニアックなインダストリアルメタルとか、そういう「うひゃーw」な気持ちで聴けるリミックスを聴いてみたかったなぁとかちょっと思ったり。なんかL'Arc~en~Cielにそういうのなかったっけか。まぁとりあえず愛好家orコレクター向けということでひとつ。
zilchでもリミックスアルバムはリリースされているけど、そちらは原作ファンにもお勧めできる超強力な内容と言えます。最近書いた紹介記事の方もよろしければ合わせてご覧ください。