アメリカ・シカゴ出身のインダストリアルロックバンドの3rdアルバム(1995年)。
約1年半ぶりとなった作品で、その間に初期から活動していたメンバーが離脱するなどし、この辺りから実質的にChris Randollのソロプロジェクトと化していったようです。ただし制作やツアーに関わる人員やバリエーションはむしろ増えており、そうした環境の中で次を見定めていったような、そんな一枚と言えそう。基本的にはここまでの流れを踏襲しているし、Nine Inch NailsやKMFDMの初期を彷彿とさせる部分も未だ大きいけど、自覚的にインダストリアルロックを鳴らしていたような前作までとは空気が違い、随分と手の内に消化したような、軽快で余裕すら感じさせるムードが漂います。金属質な音やアジテーションボーカルなんかもほとんどなくなっているし、代わりにオルガンを重用したり、ダブっぽいニュアンスの楽曲だったり、Die Warzau風のリズミックなダンス/EBMがあったり、サックス奏者を招いてファンクにがぶり寄った楽曲もあったりと手を替え品を替えという感じで、一撃で耳を引くインパクトや派手な仕掛けなどがない代わりに意外と味わい深く聴けてしまうものがありますね。CDのプリギャップにThe Doors「Strange Days」のカバーをひっそり収録しているあたり、よりナチュラルな、あるいはサイケデリックなモードへ移行しつつあるということなのかも。ともあれ、タイトル曲が映画のサントラにも抜擢されたり、CMJのチャートで好位置を記録したりと彼らの中では割と結果にも繋がった方のようで、1作目の「ベタな優等生フォロワー」的な路線とはまた別の面白さへ辿り着いた佳作かなと。
本作を引っ提げてのツアーに参加したドラマー・Kevin Templeという人物は、以前にはDie Warzauで活動歴があり、この後(1999年)には英国のニューメタル/インダストリアルロックバンド・Apartment 26に加入します。ということで、そんなApartment 26の全2作品の過去に書いた紹介記事はこちらから。文章を少々見直しているので(というか19年前(!)に書いたものなのでほぼ書き直し)、よろしければ合わせてご覧ください。
最近更新したSister Machine Gunの過去2作の紹介記事はこちらから。
