北海道出身のアニメソング歌手・Rayの編集盤(2017年)。
初のベスト盤にしてラストアルバム。デビュー5周年を目前にして「歌手活動卒業」を表明し、本作と翌月のファイナルライブで約5年半に渡る活動に幕を下ろしました。振り返ると辛さも悩みもあったけど幸せな時間だったという総括を込めてこのタイトルにしたとか。泣けますね。内容はアルバム初収録含む全シングル曲(全てタイアップつき)+それ以外の代表的なタイアップ曲+新曲2曲で、無難っちゃ無難だけど彼女の華々しい活動の記録として相応しい選出で、これ1枚でも十分に彼女の雰囲気や一通りの代表曲を体験できます。新曲はいずれもI've制作陣による集大成的な楽曲で涙なくして聴けません。しかし初回特典のDisc-2もできれば合わせて聴きたい。Disc-1に入りきらなかったタイアップ曲(Ray名義のCD初収録曲含む)や人気曲で構成され、特に後者はアルバムを象徴する曲やシリアスバラード、電波曲、トランス、珍しくロッキンな曲から唯一彼女が単独作詞した楽曲など、タイアップ曲の羅列だけでは味わえないアーティスト・Rayとしてのレンジの拡げ方や歩みをたっぷり詰め合わせた、Disc-1に勝るとも劣らない内容になっています。まぁ個人的にはなんで「向日葵」が入ってないんだよォォォ!!!!と叫びたくなるんですがそれはともかくとして(早口)、アイドルポップ/ガールポップがとことんまで似合う歌声や佇まいと、それをI'veが全面的にパックアップした鳴り物入りのデビューはやっぱり衝撃的で、だけどそこに留まらずに挑戦を続けながらも芯の部分はいつまでも変わらない彼女の存在はとても魅力的だったし、そんな短いながらも濃密に駆け抜けた期間をまとめ形にした作品として、アニソンやI'veのリスナーには大のお勧めです。