MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Ray "Little Trip"

Little Trip(初回限定盤 CD+Blu-ray)

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 アニソンシンガーの3rdアルバム(2016年)。

 

 あーれいたそかわいい。というわけで、そんなれいたその2年ぶり3作目でございます。まずは何と言ってもデビュー曲と同作品向けの2年半ぶり新タイアップにて、同じく再び「折戸伸治 × 高瀬一矢」タッグで制作された「季節のシャッター」が、期待通り郷愁感溢れる名曲度の高い逸品でした。そしてそれを中心とし、前半は主に元気いっぱいのハイテンポな曲、後半はI'veの高瀬一矢による2曲も含む正統派の楽曲が並ぶ流れ(厳密にではなくざっくりとだけど)。特に前半は合いの手の入ったジャズサンバ?というのかそれっぽい「初めてガールズ!」や、ビッグバンドにエレキに木琴の音までが乱舞する、おもちゃ箱を引っくり返したような高速ガールポップ「Wonder Little Trip」と、勢いのついた佳曲の連発が爽快。過去作にも1つは電波ソングに通じるような遊び心のある曲はあったけど、今回はその色が掴みで強めに出ていて、また新しい感覚。とはいえ、全体的には音楽的に挑戦の幅を広げているというよりも、得意とする範囲やイメージに沿うものの中から丁寧に選択し提示してきたような安定感のある仕上がり。作品全体を「旅」に見立てるという(歌詞の)コンセプトや、楽曲を手掛けた作家が過去最高の10名ほどになっているというポイントは、そこまで重視するものではないかも。でも不満は全くないんです。最初にも言った通りかわいいから。いや真面目な話、アーティスト活動が5年目に入っても、これまで通り楽しくかわいく突っ走るという意気込みを体現してくれたのは素晴らしいことです。彼女が初めて単独で作詞した「星」に込められた思いも合わせて受け止めると更に感動することひとしおですよ。こんなレビューでいいのか。