MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

16volt 『SuperCoolNothing』

Supercoolnothing

Supercoolnothing

  • アーティスト:16 Volt
  • Concrete
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 アメリカ・オレゴン出身のEric Powellを中心としたインダストリアルロックバンドの4thアルバム(1998年)。

 

 まず耳がいくのは、インダストリアルな質感よりも、ラウドな響きのギター、及びタイトで荒っぽいリフを中心に組み立てられたサウンドや、静と動を織り交ぜたメリハリを強調したり、爆発力や瞬発力で突き進む曲展開。インダストリアルロックの要素が完全に消失したわけではないけど、これまでの教科書通りな接近から、オルタナティブロックの表現の一つとして捉え直し、近しい他ジャンルの要素も貪欲に取り入れながら、もっと広くオルタナティブロック/メタルへアプローチした内容と言えます。特にポストグランジ的なスケール感を目指した「Keep Sleeping」、アンビエントバラードの「Law」、軽くシューゲイザー風の「At The End」あたりは、ちょっとした新境地にも聴こえて悪くない。ただ隙もあり、前作(まで)が好きな人には中途半端に映るかもしれないし、ボーカルや楽曲はここにきてもやはりやや弱く、ファン以外を牽引する力に欠ける。ついでに言うと、本作を手掛けたプロデューサーにNine Inch NailsMarilyn Mansonにも関わったBill Kennedyが参加しているせいかどうかは分からないけど、Marilyn Mansonに似てる楽曲が散見されるところも人によっては今一つかも。しかし、1作ごとに作風の軌道修正をしながら歩んできた彼らが、インダストリアルロックの“次”を目指し試行錯誤を重ねた記録として本作を見ると、これもまた興味深いものがあります。彼らは本作以降、数年間表立った活動を休止してしまうけど、続きを聴いてみたかったと素直に思える作品です。