MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

girugamesh / NOW

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 4人組ロックバンドの4thアルバム(2009年)。

 

 前作以降、一般流通されたシングルリリースを重ねた末に発表された作品。まぁシングル曲はそのうち通常盤に1曲しか収録されていないんだけど、そういった経緯を反映してか、前作で確立したデジタル/ラウド一本にこだわらず、ポップさを起点にアプローチをより広げた内容になっています。過去作ミニ「Reason of crying」を今(当時)の力量でフルサイズに解釈したような感じかな?バラードやラップ主体の曲もありつつも、メロディを前面に押し出した歌モノの存在感が強く、元々はカップリング曲の「睡蓮」やリード曲「arrow」の染み渡るようなメロディは秀逸の一言。女性コーラス×ファンクの「BEAST」も新しい。ただ、ハードなサウンドやシャウトでゴリ押すような曲をあえて封印してまで全体の聴きやすさに重点を置いた節があり、結果妙に小奇麗にまとまり過ぎたような。決して悪くはないんだけど、彼らの良さは他にもあるぞ、と言いたくなります。例えば同時期に発表されたアルバム未収録曲「GAMBLE」はインダストリアル/ラウドで滅茶苦茶格好いいのに、とか。それと全体的に安易なラップが増えすぎて、なんか妙にチャラい感じを受けるのも否めない。そこも(あとジャケットも…)ちょっと好みが分かれそうなところ。ちなみに限定盤はDVDが付属する代わりに何故か曲数が絞られてる上に2種あったりと売り方もえげつないので、基本的には通常盤がお勧め。スラップベースと歌謡メロが並走する良曲「driving time」 はそちらにのみ収録だし。