カナダ出身のインディーポップ/エレクトロニックユニットの1stアルバム。
Skinny PuppyやNine Inch Nailsなどに関わるインダストリアル界の大物プロデューサーDave Ogilvieと、カナダ出身の新人女性ボーカリストKatie B(現在は脱退)のタッグによるユニット。ユニット名は「空想の動物」の意味とのことで、角の生えたウサギのジャケットもそれを表しているのかな。インダストリアルロックの要素、エレクトロニックの配分、トリップホップのアプローチなどをバランスよく取り入れた贅沢なサウンドをバックに、Katie Bのキュートなボーカルが甘く溶け込むように響き渡る、そんな歌モノのインダストリアルポップ。そしてジャケットの素敵なアートーワークを裏切らない、適度にダークでメルヘンでゴシックな佇まい。超がつくほどキャッチーで、訴求力に溢れたメロディと音色からサンプリングの小技まで隅々に行き渡る巧みの仕事っぷりの併せ技で、オーバーグラウンド的なポップネスとインダストリアルファンがニンマリするニュアンスを無理なく両立させたという点では、ちょっと面白いポジションの作品になっていると思います。名だたるゲストミュージシャンとのコラボレーションも行っており、その中にはNine Inch NailsのTrent Reznorも参加している模様。曲調に多少の振れ幅はあれど、全面的に歌メロが前に出ているのが逆に少々平坦にも聴こえなくもないけど、この抜群の完成度は一度体験して損はないかと。